就労継続支援A型と一般就労の違いとは?4つの視点で比較

就労継続支援A型と一般就労の違いを比較する記事のアイキャッチ

就労継続支援A型で働くうち、一般就労(一般企業への就職)とはどこが違うのか気になる方もいるのではないでしょうか。

藤沢市の就労継続支援A型事業所「ほまれの家 長後店」が、雇用契約の相手や賃金の決まり方、支援体制など4つの視点から違いを整理しました。

ステップアップを考えるときの参考にしてください。

就労継続支援A型と一般就労、何が違う?

就労継続支援A型と一般就労は、雇用契約を結ぶ相手・賃金の決まり方・支援体制・対象となる人の条件という4つの点で異なります

それぞれの違いを、比較表と以下の解説で確認できます。

比較表でわかる4つの違い

4つの違いを比較表にまとめました。

それぞれの根拠や条件は、次の見出しから詳しく解説します。

項目就労継続支援A型一般就労
雇用契約の相手事業所と契約企業と直接契約
賃金の決まり方最低賃金以上を事業所が保障企業の賃金体系による
サポート体制支援員・サービス管理責任者が常駐企業によって異なる
対象となる人利用対象の要件がある決まった対象要件はない

違い①雇用契約を結ぶ相手

就労継続支援A型と一般就労では、どちらも雇用契約を結いて働きますが、契約を結ぶ相手や働く環境に違いがあります。

まずは、それぞれ誰と雇用契約を結ぶのかを確認していきましょう。

就労継続支援A型は事業所と雇用契約を結ぶ

就労継続支援A型は、障害者総合支援法にもとづく障害福祉サービスの一つです。

利用者は一般企業ではなく、就労継続支援A型事業所と雇用契約を結び、事業所の従業員として働きます

就労継続支援A型の制度全体の仕組みや対象者、利用開始までの流れは、就労継続支援A型とはどんなサービス?で詳しく紹介しています。

一般就労は企業と直接雇用契約を結ぶ

一方、一般就労とは、障害福祉サービスを利用せず、企業と直接雇用契約を結んで働くことを指す言葉です。

どちらが優れているというものではなく、雇用契約を結ぶ相手そのものが違う、という前提の違いです。

違い②賃金の決まり方

就労継続支援A型と一般就労では、賃金の決まり方にも違いがあります。

最低賃金との関係や給与の設定方法など、それぞれの仕組みを知ることで、働いたときの収入をより具体的にイメージしやすくなります。

就労継続支援A型は最低賃金以上を事業所が保障

就労継続支援A型は雇用契約にもとづくため、給与は神奈川県の最低賃金以上が保障されます

現在の神奈川県の最低賃金は時給1,225円で、令和7年10月4日から適用されています。

また、就労継続支援A型の全国平均賃金月額は91,451円です(令和6年度)。

出典: 神奈川労働局「最低賃金のお知らせ」(2026年8月時点)

出典: 厚生労働省「平均工賃(賃金)月額の実績について」(2026年8月時点)

詳しい給料の仕組みや手取りの目安は、就労継続支援A型の給料の仕組みと手取りの目安をご覧ください。

就労継続支援A型の賃金の決まり方をイメージした図

一般就労は企業の賃金体系による

一方、一般就労の賃金は、勤務先の企業ごとの給与規定や昇給制度によって決まります。

事業所が最低賃金以上を保障する就労継続支援A型とは異なり、金額の決まり方は企業によってさまざまです。

ただし、最低賃金のルールは一般就労にも適用されるため、最低賃金を下回ることはありません

違い③支援員によるサポート体制

就労継続支援A型と一般就労では、仕事中に受けられるサポート体制にも違いがあります。

就労継続支援A型では支援員に相談しながら働けるため、体調や業務上の悩みに応じた支援を受けやすい点が特徴です。

就労継続支援A型は支援員・サービス管理責任者が常駐

就労継続支援A型の事業所には、日常的に相談できる支援員がいます。

当事業所の令和7年度実績では、仕事をサポートする職員が3名、サービス管理責任者が1名という体制で、体調や業務内容について気になることがあれば、日常的に相談できる環境です。

一般就労のサポート体制は企業によって異なる

一般就労でも、障害のある社員向けの相談窓口や配慮を用意している企業はあります。

ですが、その内容や手厚さは企業によって差があります。

違い④対象となる人の条件

就労継続支援A型と一般就労では、対象となる人の条件にも違いがあります。

就労継続支援A型には利用対象の要件がある一方、一般就労では企業ごとに定められた採用条件を満たすことが基本となります。

就労継続支援A型の対象となる人

就労継続支援A型の対象は、厚生労働省の資料によると「企業等に就労することが困難な者であって、雇用契約に基づき、継続的に就労することが可能な者」です。

年齢は原則65歳未満とされ、65歳以上の場合は一定の条件を満たすと利用できることがあります。

出典: 厚生労働省「障害福祉サービスについて」(2026年8月時点)

当事業所では、精神・発達・身体・知的など幅広い障害種別の方を対象としており、障害者手帳がない場合でも主治医の診断書があれば利用できます

一般就労に決まった対象要件はない

一般就労は障害福祉サービスではないため、就労継続支援A型のような年齢や状態の利用要件はありません。

ハローワークの障害者専門窓口などを通じて、求人に応募する形になります。

ただし、対象要件がないことは就職のしやすさを意味するわけではなく、就職活動そのものにはご自身の取り組みが必要です。

出典: ハローワークインターネットサービス「障害のある皆様へ」(2026年8月時点)

就労継続支援A型からステップアップして一般就労を目指せる?

はい、目指せます。

就労継続支援A型は、働きながら一般就労へのステップを踏める働き方の一つです。

当事業所も一般就労に向けた企業開拓に力を入れており、支援員や支援機関と相談しながら次の一歩を考えられます。

当事業所の一般就労に向けた取り組み

ほまれの家 長後店は、一般就労先の企業開拓の取り組みについて、日本障がい者就労支援学会のシンポジウムで発表した実績があります

また、湘南地域就労援助センターなどと連携しながら、利用者の支援にあたっています。

こうした学会発表や連携の実績は、当事業所が一般就労を後押しする姿勢を持っていることを示す事実であり、一般就労を約束するものではありません

一人ひとり状況は異なるため、日々の支援の中でご自身に合った進め方を確かめていくことが大切です。

就労継続支援A型で一般就労に向けて支援員に相談するイメージ

就労移行支援との違い・使い分け

就労移行支援は、一般就労に向けた訓練を行う別の制度で、就労継続支援A型とは仕組みが異なります。

就労継続支援A型で働きながら一般就労を目指す本記事の内容とは別の選択肢として、あわせて検討の参考にしてください。

就労移行支援との詳しい違いは、就労継続支援A型と就労移行支援の違いをご覧ください。

就労継続支援A型と一般就労のよくある質問

就労継続支援A型と一般就労の違いを知ると、利用条件や働き方について疑問が出てくることもあります。

ここでは、就労継続支援A型と一般就労についてよくある質問をわかりやすく解説します。

Q. 就労継続支援A型から一般就労(一般企業への就職)を目指すことはできますか?

A. はい、目指せます。

当事業所も一般就労先の企業開拓に取り組んだ実績があり、支援員や支援機関と相談しながら準備を進めることができます。

Q. 就労継続支援A型と一般就労では、給料の決まり方はどう違いますか?

A. 就労継続支援A型は雇用契約にもとづき、最低賃金以上の給与が事業所によって保障されます

一方、一般就労は企業ごとの賃金体系によって決まります。

詳しくは上記の比較表や給料の記事をご覧ください。

Q. 一般就労では、障害のある人へのサポートは受けられませんか?

A. 一般就労でも、相談窓口や配慮を用意している企業はあります。

ただし、その内容は企業によって異なります。

まとめ|違いを知って次の一歩へ

  • 雇用契約は、事業所と結ぶか、企業と直接結ぶかという前提が違います。
  • 賃金やサポート体制は、就労継続支援A型は制度で保障される部分が多く、一般就労は企業ごとの差が大きい違いがあります。
  • 就労継続支援A型は一般就労に向けたステップを踏める働き方であり、当事業所も一般就労に向けた取り組みに力を入れています。

就労継続支援A型では見学・体験ができ、働き方を確かめながら、一般就労との違いを踏まえて次の一歩を考えることができます。

当事業所への見学・体験の流れや当日の持ちものは、見学・体験利用の流れと当日の持ちものをご覧ください。

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執筆: ほまれの家 長後店 編集部(運営者情報・コンテンツ制作方針