自立訓練と就労移行支援の違いは?A型という選択肢も解説

自立訓練と就労移行支援の違いを解説する記事のアイキャッチ

自立訓練と就労移行支援は、名前も内容も似て見えるため、どちらが今の自分に合うのか迷いやすいところです。

藤沢市のA型事業所「ほまれの家 長後店」が、目的や対象者、利用期間の違いを整理しました。

就労移行支援のほかに、雇用契約を結んで働く就労継続支援A型という選択肢もあります。

どのサービスを選んでも、状況が変われば見直しの相談ができます。

自立訓練と就労移行支援はどう違う?

自立訓練(生活訓練)は、日常生活に必要な力を整える訓練です。

就労移行支援は、一般就労(企業などに雇用されて働くこと)を目指して、就労に必要な訓練を受けるサービスです。

目的や対象者が異なり、どちらにも標準利用期間があります。

自立訓練と就労移行支援の比較表

ここでは、自立訓練のうち生活訓練と就労移行支援を比べます。

標準利用期間は、サービスを利用できる期間として標準的に定められた期間です。

項目自立訓練(生活訓練)就労移行支援
目的日常生活に必要な力を整える一般就労を目指して、就労に必要な訓練を受ける
対象者生活能力の維持・向上が必要な方一般就労を希望し、就労が見込まれる方
主な内容日常生活の訓練と、生活の相談就労に必要な訓練、職場実習・職場探し
標準利用期間原則24か月(長期間入院していた方などは36か月)原則24か月

出典: 厚生労働省「自立訓練に係る報酬・基準について」「就労系障害福祉サービスの概要」「介護給付費等に係る支給決定事務等について(事務処理要領)」(2026年10月時点)

自立訓練(生活訓練)と就労移行支援の目的・対象者・主な内容を比べる表

違い①目的と対象者

自立訓練は生活能力を高める訓練

自立訓練は障害福祉サービスの一つで、地域で生活するうえで、生活能力の維持・向上などのために一定の支援が必要な方が対象です。

2018年(平成30年)4月から、障害の区別なく利用できるようになりました。

自立訓練の主な種類は次のとおりです。

  • 機能訓練は、身体機能の訓練が中心です。理学療法や作業療法などのリハビリテーションを行います。
  • 生活訓練は、入浴・排せつ・食事などの日常生活の訓練が中心です。
  • 宿泊型自立訓練は、宿泊しながら行う家事などの訓練です。

この記事では生活訓練を中心に説明します。

自立訓練の主な種類として、機能訓練・生活訓練・宿泊型自立訓練の3つを示す図

就労移行支援は就職を目指す訓練

一方、就労移行支援の対象は、一般就労等を希望し、適性に合った職場への就労等が見込まれる方で、原則65歳未満です。

出典: 厚生労働省「障害福祉サービスについて」「自立訓練に係る報酬・基準について」「就労系障害福祉サービスの概要」(2026年10月時点)

違い②訓練の内容と利用期間

自立訓練と就労移行支援の訓練内容

自立訓練(生活訓練)には、居宅を訪問して行う訓練もあります。

就労移行支援は通所が原則です。

個別支援計画(支援の目標や内容を利用者ごとにまとめた計画)の進み具合に応じて、職場実習などを組み合わせます。

標準利用期間はどちらも原則24か月

標準利用期間の範囲内で、利用者ごとに利用期間が設定されます。

標準利用期間は、自立訓練(生活訓練)が原則24か月(長期間入院していた方などの場合は36か月)、就労移行支援が原則24か月です。

標準利用期間を超えて利用が必要な場合は、どちらも最大1年間の更新が可能です。

更新は、市町村審査会(審査判定を行う市町村の機関)の個別審査で必要性が認められたときに限られます。

出典: 厚生労働省「就労系障害福祉サービスの概要」「障害福祉サービスについて」「介護給付費等に係る支給決定事務等について(事務処理要領)」(2026年10月時点)

自立訓練と就労移行支援、どちらが合う?

どちらが合うかは、今の生活の状況と、就職までに必要な準備によって異なります。

日常生活を整えることを優先したい場合は自立訓練、就職に向けた訓練を受けたい場合は就労移行支援が選択肢になります。

迷うときは相談できます。

相談先は、相談支援専門員やお住まいの市区町村の窓口です。

状況別の考え方の目安

次のような場合は、自立訓練から考える方もいます。

  • 生活リズムを整えたい
  • 日常生活に不安がある
  • 事業所に通う習慣をつけたい

次のような場合は、就労移行支援から考える方もいます。

  • 就職の時期を見据えている
  • 就職に向けた訓練を受けたい
  • 職場実習を経験したい

日常生活を整えたいなら自立訓練、就職に向けた訓練なら就労移行支援から考える目安を示す図

迷うときの相談先

相談支援専門員は、サービス等利用計画(利用するサービスの内容をまとめた計画)の作成やサービス選びを、一緒に考える専門職です。

サービス等利用計画案は、ご自身で作成して提出する「セルフプラン」にすることもできます。

お住まいの市区町村の窓口は、障害福祉サービスの申請や支給決定を行う窓口でもあります。

就労移行支援やA型の利用を考えるときは、自分に合った働き方を整理する就労選択支援(令和7年10月開始)もあります。

詳しくは就労選択支援と就労移行支援の違いで解説しています。

出典: 厚生労働省「サービスの利用手続き」「介護給付費等に係る支給決定事務等について(事務処理要領)」「厚生労働省関係の主な制度変更(令和7年10月)について」(2026年10月時点)

就労移行のほかにA型という選択肢

A型は雇用契約を結んで働くサービス

就労継続支援A型は、通常の事業所に雇用されることが困難で、適切な支援により雇用契約に基づく就労が可能な方が対象です。

通所して雇用契約に基づいて働く機会が提供され、一般就労に必要な知識や能力が高まった方には、一般就労への移行に向けた支援も行われます。

雇用契約を結ぶため、当事業所でも給与は神奈川県の最低賃金以上です。

就労継続支援には、雇用契約を結ばない働き方のB型もありますが、この記事ではA型を取り上げます。

詳しくは、A型の対象者や利用開始までの流れと就労移行支援と就労継続支援の違いをご覧ください。

雇用契約を結ぶかどうかの違い

自立訓練と就労移行支援は、どちらも訓練を受けるサービスです。

自立訓練(生活訓練)は日常生活を整える訓練、就労移行支援は就職に向けた訓練を受けるサービスです。

就労継続支援A型は、事業所と雇用契約を結んで働くサービスです。

最低賃金を含む労働関係法令が適用され、利用期間に制限はありません。

出典: 厚生労働省「就労系障害福祉サービスの概要」(2026年10月時点)

自立訓練と就労移行支援は訓練を受けるサービス、就労継続支援A型は雇用契約を結んで働くサービスであることを示す図

A型の前に生活リズムを整える考え方

雇用契約では勤務日と時間を定めます

A型は雇用契約を結んで働くため、始業・終業の時刻、休憩時間、休日などの労働条件が書面で明示されます。

勤務日数や勤務時間は事業所によって異なるため、通えるかどうかは、利用を考える事業所に確認します。

出典: 厚生労働省「確かめよう労働条件」労働条件の明示(2026年10月時点)

自立訓練で通うペースを整える進み方

自立訓練は事業所に通って受ける形が中心のため、生活リズムや通うペースを整える場として使い、そのあとにA型を検討する、という進み方もあります。

進み方の一例として、次の順で進める方もいます。

自立訓練で日常生活を整える
↓
A型の見学・体験
↓
手続きをして雇用契約を結ぶ

自立訓練を経ずにA型を始める方もいます。

自立訓練で通うペースを整えてから、A型の見学・体験を経て雇用契約を結ぶ進み方の一例を示す図

通所に不安があるときの相談先はA型に通所できないときの相談先で、A型を土台に一般就労を目指す道のりはA型から一般就労へのステップで紹介しています。

当事業所では勤務日数や時間を相談できます

ほまれの家 長後店の勤務時間は10:00〜15:30で、営業日は平日のみです(詳しくは当事業所の1日の流れをご覧ください)。

当事業所では、スタート時の勤務時間や日数を体調やご状況に合わせて調整できます。

ただし、最終的には週5日の安定した通所(勤務)を目指せる方を対象としています。

当事業所では、パソコン操作の初心者向け・未経験者向けの指導は行っていません。

業務の特性上、パソコンを使った実務に対応できる一定のスキルをお持ちの方を募集対象としています。

業務ごとにマニュアルを用意していますので、初めての作業も順を追って覚えられます。

当事業所では、障害者手帳がない場合も、主治医の診断書で利用の相談ができます。

当事業所の見学(約30分〜1時間・無料)と体験(2〜5日間・無料)で、雰囲気を確かめることができます。

体験から利用開始までは、平均で2〜4週間程度です。

見学や相談の申し込みは、LINEから受け付けています。

よくある質問

Q. 自立訓練と就労移行支援は、同じ日に両方利用できますか?

A. 同じ日に両方を利用することはできません。

日中に通って利用するサービス(日中活動サービス)は報酬が1日単位で算定されるため、A型を含むほかの組み合わせも同様です。

ただし、市町村が特に必要と認めた場合は、宿泊型自立訓練を日中活動サービスと合わせて利用できます。

日を分けた利用は、お住まいの市区町村の窓口や相談支援専門員にご相談ください。

出典: 厚生労働省「介護給付費等に係る支給決定事務等について(事務処理要領)」(2026年10月時点)

Q. 自立訓練を利用したあとに、就労移行支援やA型へ移ることはできますか?

A. 状況や希望が変わったときは、就労移行支援やA型への移行も含めて、利用するサービスを見直す相談ができます。

サービスの種類が変わるときは、お住まいの市区町村の窓口と、相談支援専門員(セルフプランの場合はご自身)を通じて手続きを進めます。

具体的な手続きは、窓口にご確認ください。

ほまれの家 長後店の勤務条件などは、本文の「当事業所では勤務日数や時間を相談できます」の項をご確認ください。

出典: 厚生労働省「サービスの利用手続き」「介護給付費等に係る支給決定事務等について(事務処理要領)」(2026年10月時点)

Q. 自立訓練や就労移行支援の利用料はかかりますか?

A. サービスの利用料は、世帯の所得に応じて月ごとの負担上限額が設定されており、上限を超える利用料の負担は生じません。

具体的な金額は、出典のページとお住まいの市区町村の窓口でご確認ください。

出典: 厚生労働省「障害者の利用者負担」(2026年10月時点)

Q. 自立訓練や就労移行支援の事業所は、どうやって探せばよいですか?

A. WAM NETの障害福祉サービス事業所検索で、地域・住所・法人名・事業所名・事業所番号から探すことができます。

ただし、2026年10月時点では、空き状況や受け入れ可否はこの検索で確認できないため、気になる事業所には直接問い合わせてください。

お住まいの市区町村の窓口でも相談できます。

まとめ|自立訓練と就労移行支援、A型の選び方

  • 自立訓練(生活訓練)は日常生活に必要な力を整える訓練、就労移行支援は就職に向けた訓練で、どちらにも標準利用期間があります。
  • 訓練を受けるサービスのほかに、雇用契約を結んで働くA型という選択肢があります。
  • A型の前に自立訓練で通うペースを整える進み方もありますが、必ず経る必要はありません。

見学や体験の流れは、見学・体験の流れで紹介しています。

迷うときは、相談支援専門員やお住まいの市区町村の窓口にも相談できます。

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執筆: ほまれの家 長後店 編集部(運営者情報・コンテンツ制作方針)