就労定着支援と就労移行支援の違いは?対象者と利用時期で比較

就労定着支援と就労移行支援の違いを考えるイメージ

就労継続支援A型を利用して一般企業に就職したあとも、慣れない環境で不安を感じる場面はあります。

就労定着支援は、そうした就職後の悩みを相談できる制度で、訓練や求職活動を支援する就労移行支援とは、利用できる時期がはっきり異なります。

この記事では藤沢市のA型事業所「ほまれの家 長後店」が、就労定着支援と就労移行支援の違いを、対象者や利用できる時期を中心に整理しました。

A型を利用中の方も、将来の一般就労後に使える制度として、あわせて確認いただけます。

就労定着支援と就労移行支援はどう違う?

就労移行支援は、一般企業への就職を目指す方が訓練や求職活動の支援を受けるサービスで、利用は主に就職前です。

一方、就労定着支援は、就職して6か月を経過した方が、働き続けるために利用できる支援です。

対象となる時期がはっきり分かれています。

就労継続支援A型そのものの制度概要は就労継続支援A型とはをご覧ください。

ここでは、A型を経て一般企業に就職したあとに関わる2つの制度の違いを見ていきます。

目的・対象者を比較表で確認

比較表でひと目チェック

就労移行支援と就労定着支援は、目的・対象者・利用できる時期のいずれも異なります。

まずは表で全体像を確認しましょう。

項目就労移行支援就労定着支援
目的一般企業への就職に向けた訓練・求職活動の支援就職後の職場定着に向けた相談・連絡調整
対象者一般企業への就職を目指す方(原則65歳未満)就労移行支援などを利用して一般企業に就職し、6か月経過した方
利用できる時期就職前就職後6か月経過後から
支援内容訓練・職場体験、求職活動のサポート本人への相談・助言、企業や関係機関との連絡調整

出典: 厚生労働省「障害福祉サービスについて」(2026年9月時点)

就労移行支援と就労定着支援の違いを示す比較図

支援内容の違い

就労移行支援では、生産活動や職場体験などの訓練に取り組みながら、求職活動のサポートや職場探しを進めます。

これに対して就労定着支援では、新しい職場に慣れていく段階の本人を対象に、生活面・仕事面の相談や、企業・関係機関との連絡調整が中心になります。

訓練を受ける支援か、働き始めたあとの支援かという役割の違いです。

利用できる時期と期間の目安

就労定着支援を利用できる時期と、利用できる期間の目安を確認しておきましょう。

就労定着支援は就職後6か月から

就労定着支援は、就職してすぐに利用できるわけではありません。

就労移行支援などを利用して一般企業に就職したあと、就労を継続している期間が6か月を経過した時点から利用の対象になります。

利用できる期間は最長3年

就労定着支援を利用できる期間の目安は、対象となった時点(就職から6か月経過した時点)から最長3年間です。

期間が経過したあとは、必要に応じて障害者就業・生活支援センターなど、地域の他の相談機関へ支援が引き継がれていきます。

出典: 厚生労働省「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム第38回資料4 就労定着支援に係る報酬・基準について」(2026年9月時点)

就労定着支援を利用できる時期と期間の目安を示すタイムライン

就労移行支援の利用期間の目安

就労移行支援の利用期間は、利用開始から標準で2年間です。

ただし、個別の状況によっては市町村審査会での審査を経て、最大1年間の更新が認められる場合があります。

就労移行支援は就職前の期間、就労定着支援は就職後の期間と、利用できる時期が連続せずはっきり分かれている点をおさえておくと理解しやすいでしょう。

出典: 厚生労働省「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム第38回資料1 就労移行支援に係る報酬・基準について」(2026年9月時点)

就労継続支援A型を経てからでも使える?

はい、就労継続支援A型を利用して一般企業に就職した場合も、就労定着支援の対象になります。

就職から6か月間は、それまで利用していた事業所などが引き続きサポートし、7か月目以降は新たに就労定着支援の事業所と契約して支援を受けられます。

就職後6か月間はどこが支える?

この仕組みは、就労移行支援や就労継続支援A型などの事業所に、利用者が就職したあとの職場定着についても一定の義務・努力義務が課されていることによるものです。

就職前の段階でA型と一般就労の違いを詳しく知りたい方は、就労継続支援A型と一般就労の違いもあわせてご覧ください。

A型から一般就労までの進み方そのものは、就労継続支援A型から一般就労へのステップで3つの選択肢に分けて整理しています。

出典: 厚生労働省「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム第38回資料1 就労移行支援に係る報酬・基準について」(2026年9月時点)

出典: 厚生労働省 社会保障審議会障害者部会(第87回)資料1「新サービスの基準について」(2026年9月時点)

就職後の支援の担い手が移り変わる仕組みを示す関係図

当事業所では一般就労後もこうサポートしています

当事業所は、一般就労を目指す利用者のサポートにあたり、地域の関係機関とも連携しています。

藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町を対象地域とする湘南地域就労援助センターと連携しながら、日頃から一般就労を目指す利用者の支援に取り組んでいます。

就労定着支援そのものは専門の事業所が提供するサービスのため、当事業所が直接この支援を行うわけではありませんが、地域の関係機関と連携しながら、一般就労後を見据えたサポートを続けています。

就労定着支援で受けられるサポート

就労定着支援員からは、主に次のようなサポートを受けられます。

本人への相談・助言

生活リズムの乱れや仕事上の悩みなど、働くうえでの困りごとを相談できる窓口になります。

月1回以上、自宅や勤務先への訪問などを通じて、本人と直接顔を合わせた形での相談を受けられる仕組みになっています。

就労定着支援員に働き方の悩みを相談している場面

企業や関係機関との連絡調整

就労定着支援員は、本人の様子を踏まえながら、勤務先の企業や医療機関、相談支援事業所などと連絡調整を行うことがあります。

月1回以上、企業訪問が行われるよう努めることとされており、必要に応じて課題の解決に向けた調整が進められます。

出典: 厚生労働省「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム第38回資料4 就労定着支援に係る報酬・基準について」(2026年9月時点)

よくある質問

Q. 就労定着支援は自分で選んで申し込めますか?

A. 単独で自由に契約できるサービスではありません。

就職前に利用していた就労移行支援事業所などと相談しながら、利用開始の手続きを進めるのが一般的です。

当事業所をご利用中の方も、一般就労後の支援について見学時にご相談いただけます。

Q. 就労定着支援の利用料はいくらですか?

A. 利用料は、前年の所得等に応じて自己負担が生じる場合があります。

障害福祉サービス全体の仕組みとして、市町村民税(住民税)非課税世帯は自己負担0円、市町村民税課税世帯は所得に応じて月額9,300円または37,200円が上限とされています。

詳しい負担額は、お住まいの自治体の窓口でご確認ください。

出典: 厚生労働省「障害者の利用者負担」(2026年9月時点)

Q. 就労定着支援と就労移行支援を同時に利用することはできますか?

A. 就労移行支援は就職前に、就労定着支援は就職後6か月を経過してから利用する仕組みのため、通常は同時に利用する場面はありません。

それぞれ利用できる時期が分かれていると考えるとわかりやすいでしょう。

Q. 就労継続支援A型を利用しながら、一般就労後のことを今から相談できますか?

A. はい、当事業所をご利用中の方からのご相談も承っています。

一般就労を目指す時期が近づいてきたら、就労定着支援を含めたその後のサポートについて、見学や面談の際にお気軽にご相談ください。

まとめ|就労定着支援と就労移行支援の違い

  • 就労移行支援は就職前に、就労定着支援は就職後6か月を経過してから利用できる、対象となる時期が異なるサービスです。
  • 利用できる期間の目安も異なり、就労移行支援は原則2年間、就労定着支援は最長3年間です。
  • 就労継続支援A型を利用して一般企業に就職した場合も、就労定着支援の対象になります。

一般就労後の生活について気になることがあれば、次の一歩として見学・体験の流れもあわせてご確認ください。

見学・体験のご相談は、LINEからお気軽にどうぞ。

『ブログを見た』とひとことお送りいただければ、スタッフがご案内します。
LINEで相談する

執筆: ほまれの家 長後店 編集部(運営者情報・コンテンツ制作方針)