就労継続支援A型で仕事がない・早帰りのとき給料は?休業手当の条件

就労継続支援A型で仕事がない日・早帰りになったときの給料と休業手当を解説する記事のアイキャッチ

就労継続支援A型事業所で働くとき、事業所の事情で作業が少ない日や、予定より早く帰ることになる日はあるのかと、気になる方もいるかもしれません。

この記事では藤沢市の就労継続支援A型事業所「ほまれの家 長後店」が、そうした日の給料のルール(休業手当)と、契約書で確認したい点、困ったときの相談先を整理しました。

雇用契約を結んで働く就労継続支援A型には、労働に関する法律が関わります。

あらかじめ仕組みを知っておけば、落ち着いて備えることができます。

就労継続支援A型事業所で仕事がない日・早帰りの給料は?

就労継続支援A型事業所の都合で仕事がなく休みになった日は、平均賃金(直近3か月の賃金から計算する1日あたりの賃金)の6割以上の休業手当の対象になる場合があります。

早帰りで1日の一部だけ休みになった日も、その日の賃金が平均賃金の6割に満たないときは、差額を受け取れる場合があります。

ご自身の都合による欠勤や早退は対象にならず、個別の判断は労働基準監督署などで確認できます。

就労継続支援A型に労働基準法が関わる理由

就労継続支援A型事業所(A型作業所と呼ばれることもあります)では、利用者と雇用契約を結んで働くことが基本です。

運営の基準(指定障害福祉サービスの基準)でも、事業者は利用者と雇用契約を締結しなければならないと定められています。

雇用契約で働く利用者は労働基準法上の労働者にあたり、労働基準関係法令に関する苦情や疑義への対応は労働基準監督署が行うと、厚生労働省の通知に示されています。

なお、制度上は雇用契約を結ばない例外の規定もありますが、この記事は雇用契約を結んで働く就労継続支援A型を前提にしています。

当事業所では、利用者の方と雇用契約を結んで働いていただいています。

休業手当は労働基準法第26条に定められた手当で、仕組みは次の章で説明します。

適用される法律の全体像は、就労継続支援A型の雇用契約と適用される法律にまとめています。

出典: 厚生労働省「就労継続支援事業利用者の労働者性に関する留意事項について」(2026年10月時点)、e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(2026年10月時点)、厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」(2026年10月時点)、e-Gov法令検索「労働基準法」(2026年10月時点)

休業手当の仕組みと対象になる場合

事業所の都合とご自身の都合の違い

休業手当は、事業所(使用者)の側に原因がある休みの間に支払われる手当です。

法律では、その原因を「使用者の責に帰すべき事由」と呼びます。

厚生労働省のQ&Aでは、地震や災害などの不可抗力による場合を除いた、経営者として不可抗力を主張できない一切の場合が含まれると説明されています。

資材が集まらず作業ができない場合や、機械の故障による休みも、これにあたります。

就労継続支援A型に当てはめると、事業所の都合で休みになる例には、仕事がない日(仕事が少ない日を含みます)や早帰りがあります。

一方、ご自身の都合で休む例には、体調不良の欠勤や通院での早退があります。

どちらにあたるかは、個別の事情によって異なります。

ご自身の都合で通所が難しいときの連絡や再開の進め方は、通所できないときの相談先と対応で解説しています。

出典: 厚生労働省「確かめよう労働条件」Q&A「会社都合で休みをとらされましたが、給料なしは労基法上ありですか?」(2026年10月時点)

事業所の都合(仕事がない日・早帰り)とご自身の都合(体調不良・通院)を対比する図

休業手当は平均賃金の6割以上

条文では、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合、使用者は休業期間中、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならないとされています(労働基準法第26条)。

厚生労働省のQ&Aには、注文が少ないので交替で休むよう言われた場合も、使用者の責に帰すべき事由に該当し、休業手当の支払を受けることができるという説明があります。

これは一般の労働者向けの説明で、就労継続支援A型事業所での当てはまりは個別の事情によって異なります。

平均賃金は、原則として、算定すべき事由の発生した日以前の3か月間に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で割った1日あたりの金額です(同法第12条)。

時給などで働く場合は計算方法に特例があり、金額の計算は事業所が行うため、この記事では計算例を示しません。

出典: e-Gov法令検索「労働基準法」(2026年10月時点)、厚生労働省「確かめよう労働条件」Q&A「会社都合で休みをとらされましたが、給料なしは労基法上ありですか?」(2026年10月時点)

早帰りのときの考え方

事業所の都合による早帰りは、法律の上では、1労働日の一部だけ休みになること(1日の一部休業)にあたります。

厚生労働省のQ&Aでは、1労働日の一部を休業した場合の扱いが説明されています。

すでに働いた分の賃金が支払われていても、その日につき全体として平均賃金の6割までは支払わなければならないとされています。

実際に支払われた賃金が6割に達しない場合は、その差額の支給を受けられるという説明です。

早帰りの日のその日の賃金が、すでに平均賃金の6割以上になっていれば、差額は生じません。

出典: 厚生労働省「確かめよう労働条件」Q&A「会社都合で休みをとらされましたが、給料なしは労基法上ありですか?」(2026年10月時点)

早帰りの日に、その日の賃金が平均賃金の6割に満たないとき、足りない差額を受け取れる場合があることを示す図

休みの理由ごとの賃金の扱い

休みの理由ごとの扱いと確認先を、次の表にまとめました。

休みの理由賃金の扱いの仕組み確認先
ご自身の都合で休む・早退する(体調不良・通院など)休業手当の対象にはなりません。休んだ時間の賃金は、契約書・就業規則の定めや、有給休暇を使えるかどうかによります契約書・就業規則、事業所
事業所の都合で1日休みになる(仕事がない日)使用者の責に帰すべき事由にあたる場合、平均賃金の6割以上の休業手当事業所、労働基準監督署
事業所の都合で早帰りになる(1日の一部の休み)使用者の責に帰すべき事由にあたり、その日の賃金が平均賃金の6割に満たないときは、差額を受け取れる場合があります事業所、労働基準監督署
地震などの不可抗力で休みや早帰りになる使用者の責に帰すべき事由にあたらず、対象にならない場合があります労働基準監督署

対象になるかどうかは、休みの理由や状況によって異なり、この記事だけで断定することはできません。

就業規則は、事業所が定める、働くうえでの決まりをまとめたものです。

休業手当と有給休暇は別の制度で、違いは「よくある質問」で説明します。

出典: e-Gov法令検索「労働基準法」(2026年10月時点)、厚生労働省「確かめよう労働条件」Q&A「会社都合で休みをとらされましたが、給料なしは労基法上ありですか?」(2026年10月時点)

就労継続支援A型事業所の給料はどこから出る?

就労継続支援A型事業所の給料は、事業所と結ぶ雇用契約にもとづく賃金です。

運営の基準では、事業所は、仕事の収入から必要な経費を引いた額が、利用者に支払う賃金の総額以上になるようにすることが決められています。

また、事業所に公費から支払われる給付費は、原則として賃金の支払いに使えないことになっています。

賃金の支払いに関する運営の基準

運営の基準(指定障害福祉サービスの基準)の第192条第2項は、就労継続支援A型の事業者に、次のことを求めています。

生産活動(事業所が行う仕事そのもの)に係る事業の収入から必要な経費を引いた金額が、利用者に支払う賃金の総額以上となるようにすることです。

第6項では、賃金の支払いに要する額は原則として自立支援給付で充ててはならないとされ、災害その他やむを得ない理由がある場合は例外です。

自立支援給付(給付費)は、障害福祉サービスを提供した事業所に支払われる、公費による給付です。

給料の出どころに関する決まりは、事業所が守る決まりです。

利用者の方が計算したり、確認したりするものではありません。

出典: e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(2026年10月時点)

事業所が守る決まりとして、A型の給料は仕事の収入から支払い、給付費は原則として給料に使えないことを示す関係図

日々の給料を決めるのは契約の内容

日々の給料は、雇用契約書や労働条件通知書(働く条件を書面で伝える書類)に書かれた賃金の決め方(時給など)と、実際の勤務で決まります(労働基準法第15条の明示事項)。

事業所の都合で休みになった日の賃金には、前の章で説明した休業手当が関わります。

給料の水準や最低賃金との関係は、最低賃金と給料の関係をご覧ください。

出典: 厚生労働省「確かめよう労働条件」労働条件の明示(2026年10月時点)

契約書で確認したい勤務時間の取り決め

労働条件通知書で確認したい点

働く条件は、契約するときに書面で示されます。

仕事がない日や早帰りのときの扱いに関わる確認点は、次の4つです。

  • 始業・終業の時刻
  • 休憩・休日
  • 賃金の計算方法(働いた時間で決まるのか、ほかの方法かも確認できます)
  • 支払いの時期(締切日と支払日)

就業規則がある場合は、休業の扱いについて定めていることもあるので、あわせて確認できます。

契約書の全体像は、雇用契約書に定められる主な労働条件にまとめています。

出典: 厚生労働省「確かめよう労働条件」労働条件の明示(2026年10月時点)

労働条件通知書で確認したい、始業・終業の時刻、休憩・休日、賃金の計算方法、支払いの時期の4つのチェック項目

勤務時間や日数が変わるとき

勤務時間や日数が変わると、給料が減るのではと心配になることもあります。

変わるときは、まず合意が原則であることを確認できます。

契約の内容は、労働者と使用者の合意によって変更するのが原則とされ(労働契約法第8条)、できる限り書面で確認するものともされています(同法第4条第2項)。

事業所から勤務時間や日数を変えたいと伝えられたときは、その場で決める必要はなく、変更の理由・期間・賃金への影響を確認できます。

書面で受け取ることもできます。

変更の進め方は事業所ごとに異なります。

迷うときは、次の章の相談先に相談できます。

出典: 厚生労働省「労働契約法(条文)」(2026年10月時点)

仕事がなくて困ったときの相談先

まず事業所の職員に確認する

休みの理由、賃金の扱い、契約書の定めは、まず事業所の職員に確認できます。

サービス管理責任者は、事業所に置かれ、利用者一人ひとりの支援計画づくりなどを担う職員です。

話しにくいときや納得できないときは、次の窓口に相談できます。

出典: e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(2026年10月時点)

外部の相談窓口

相談先は、労働の相談と福祉の相談で使い分けます。

労働の相談は労働基準監督署や総合労働相談コーナー、福祉の相談はお住まいの市区町村の窓口や相談支援専門員です。

相談の種類窓口相談できること
事業所事業所の職員(サービス管理責任者など)休みの理由・賃金の扱い・契約書の定めの確認
労働の相談労働基準監督署労働基準法に関する相談(休業手当が支払われない場合など)
労働の相談総合労働相談コーナー職場の労働問題全般の相談
福祉の相談お住まいの市区町村の窓口(障害福祉の担当)障害福祉サービスの利用や、事業所を変えたいときの相談(内容は市区町村によって異なります)
福祉の相談相談支援専門員サービス等利用計画を作成してもらっている場合の相談

総合労働相談コーナーは、各都道府県の労働局や労働基準監督署内などに設置され、予約は不要で利用は無料ですが、相談員が不在の場合もあるため、事前に電話で受付時間を確認できます。

労働基準監督署の所在地は、都道府県労働局(労働基準監督署、公共職業安定所)所在地一覧で確認できます。

相談支援専門員は、障害福祉サービスの利用計画づくりを担当する専門職で、担当の方がいない場合は、お住まいの市区町村の窓口に相談できます。

最低賃金に関する相談先は、最低賃金を下回っていないか不安なときの相談先で詳しく説明しています。

出典: 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」(2026年10月時点)、厚生労働省「障害のある人に対する相談支援について」(2026年10月時点)、厚生労働省令「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定計画相談支援の事業の人員及び運営に関する基準」(2026年10月時点)、厚生労働省「就労継続支援事業利用者の労働者性に関する留意事項について」(2026年10月時点)

事業所を変える選択肢

今の事業所で働き続けるのが難しいと感じたときは、事業所を変える選択肢もあります。

手続きは、就労継続支援A型の事業所を変更する手順で解説しています。

収入が減って生活が心配なときは、障害年金や生活保護などの制度を組み合わせて考える方法もあります。

詳しくは、就労継続支援A型の給料と生活費の考え方をご覧ください。

出典: 厚生労働省「サービスの利用手続き」(2026年10月時点)、日本年金機構「障害年金(障害基礎年金の受給要件等)」(2026年10月時点)、厚生労働省「生活保護制度」(2026年10月時点)

ほまれの家 長後店の勤務時間と契約

ほまれの家 長後店では、次の条件で働いていただいています。

  • 雇用形態: 利用者の方との雇用契約
  • 給与: 神奈川県の最低賃金以上
  • 雇用保険・労働保険・有給休暇: 法定どおり
  • 当事業所の標準の勤務時間: 10:00〜15:30

なお、就労継続支援A型に制度上の標準の勤務時間はなく、勤務時間は事業所ごとに異なります。

契約時に労働条件を書面でお伝えしており、契約内容や勤務時間、賃金の計算方法などは、見学や体験の際にもご質問いただけます。

  • 見学: 約30分〜1時間、無料(予約はLINEから)
  • 体験利用: 2〜5日間、無料

よくある質問

Q. 休業手当は、いつ支払われますか?

A. 休業手当は賃金の一種で、休業した期間を含む給料の計算期間について、決められた支払日(給料日)に支払いを受けることができます。

支払われていないと感じるときの相談先は、「仕事がなくて困ったときの相談先」の表にまとめています。

出典: 厚生労働省「確かめよう労働条件」Q&A「会社都合で休みをとらされましたが、給料なしは労基法上ありですか?」(2026年10月時点)

Q. 休業手当と有給休暇は、同じものですか?

A. 別の制度です。

休業手当は、事業所の都合による休みの間の賃金に関するルールです。

有給休暇は、雇い入れから6か月継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤するなどの条件を満たしたときに付与される制度です。

付与日数など詳しくは、就労継続支援A型の有給休暇の付与条件と申請の流れをご覧ください。

出典: 厚生労働省「確かめよう労働条件」年次有給休暇(2026年10月時点)

Q. 見学・体験のときに、契約や勤務時間について質問できますか?

A. はい、できます。

ほまれの家 長後店では、見学や体験の際に、契約期間や勤務時間、賃金の計算方法などをご質問いただけます。

労働条件は、契約時に書面でもお伝えしています。

まとめ|休業手当の仕組みと相談先

  • 事業所の都合による休みや早帰りは、休業手当(平均賃金の6割以上)の対象になる場合があります。ご自身の都合の休みは対象外です
  • 契約書で、始業・終業の時刻、休憩・休日、賃金の計算方法、支払いの時期を確認しておくと安心です
  • 迷ったときは、事業所の職員、労働基準監督署・総合労働相談コーナー、お住まいの市区町村の窓口・相談支援専門員に相談できます

契約の内容は、見学や体験の際に質問することもできます。

流れは、見学・体験の流れをご覧ください。

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執筆: ほまれの家 長後店 編集部(運営者情報・コンテンツ制作方針)