就労継続支援A型で国民年金は払える?免除・納付猶予と未納の違い

就労継続支援A型の事業所で働くとき、国民年金の保険料を自分で払うことになるのか、収入が限られるなかで払えるのかが気になることがあります。
藤沢市のA型事業所「ほまれの家 長後店」が、日本年金機構などの公的な資料をもとに整理しました。
厚生年金に入らない場合の国民年金の仕組み、払えないときの免除・納付猶予、未納との違いを取り上げます。
保険料や所得の基準になる金額は見直されることがあるため、金額ではなく仕組みと確認先を中心にご案内します。
A型事業所で働くと国民年金は払う?
厚生年金に入っている間は国民年金にも同時に加入し、保険料は給料から天引きされるため、別に納める必要はありません。
厚生年金に入らない場合は、国民年金の第1号被保険者として保険料を自分で納めます(厚生年金に加入している配偶者に扶養されている場合は第3号被保険者)。
厚生年金に入るかどうかは勤務時間などの条件で決まり、納めるのが難しいときは免除や納付猶予の仕組みがあります。

厚生年金に入るかどうかで納め方が変わる
A型事業所(A型作業所と呼ぶ方もいます)で雇用契約を結んで働く場合も、条件を満たせば厚生年金の対象になります。
加入できる条件の詳しい内容は、厚生労働省の社会保険適用拡大特設サイトで確認できます。
条件を満たして加入するときの手続きは、事業所(事業主)が行います。
A型の雇用契約の仕組みについては、別の記事で解説しています。
| 加入の種類 | 対象 | 保険料の納め方 | 手続き先 |
|---|---|---|---|
| 第1号被保険者 | 厚生年金に加入していない20歳以上60歳未満の方(自営業・学生・無職の方など) | 自分で納める。難しいときは免除・納付猶予 | お住まいの市区町村 |
| 第2号被保険者 | 会社員・公務員など、厚生年金に加入している方 | 給料から天引き | 勤務先(事業主) |
| 第3号被保険者 | 厚生年金に加入している方に扶養されている配偶者 | 自己負担なし | 配偶者の勤務先 |
出典: 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」/厚生労働省「パート・アルバイトの方への社会保険の適用について」(2026年10月時点)
国民年金に加入する期間と手続き
国民年金は、日本国内に住む20歳以上60歳未満の方が加入する制度です。
厚生年金に加入していない方は、住所地の市区役所または町村役場で第1号被保険者の手続きを行います。
厚生年金に入っていた事業所を辞めたときは、退職日の翌日から14日以内に切り替えの手続きが必要です。
辞めたあとの失業保険は、国民年金とは別にハローワークで手続きします。
失業保険の条件や手続きは、別の記事「就労継続支援A型で失業保険はもらえる?」で解説しています。
保険料の月額は、日本年金機構の「国民年金保険料」のページで最新の金額を確認できます。
出典: 日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」/「会社を退職したときの国民年金の手続き」/「国民年金保険料」(2026年10月時点)
国民年金が払えないときの免除・納付猶予
国民年金の保険料を納めることが経済的に難しいときは、未納のままにせず、免除または納付猶予を申請できます。
申請すると審査があり、承認された期間の保険料が免除または猶予されます。
給料だけで生活費が足りないときに検討できる制度は、別の記事で解説しています。
免除・納付猶予・法定免除の種類
免除や納付猶予には、次の種類があります。
世帯主は、住民票上の世帯の代表者のことです。
| 項目 | 対象と条件 | 手続き先 |
|---|---|---|
| 全額免除・4分の3免除・半額免除・4分の1免除 | 本人・配偶者・世帯主の前年所得などが一定額以下で、保険料を納めることが経済的に難しいとき。免除の割合は4種類 | お住まいの市区町村の国民年金窓口か年金事務所に申請 |
| 納付猶予 | 20歳以上50歳未満で、本人と配偶者の前年所得が一定額以下のとき。令和17年6月までの時限措置(2026年10月時点) | 同上 |
| 失業などによる特例免除 | 失業・倒産・事業の廃止などを確認できる書類があるとき、失業した方の前年所得にかかわらず免除・納付猶予を受けられる。世帯主や配偶者がいる場合は、その方の所得も確認される | 同上 |
| 法定免除 | 生活保護の生活扶助(生活費にあたる扶助)を受けている方、障害基礎年金または会社員・公務員が加入する年金(被用者年金)の障害年金(2級以上)を受けている方。申請ではなく届出 | 住民登録をしている市区役所・町村役場の国民年金窓口に届出 |
出典: 日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」/「納付猶予制度(年金用語集)」/「国民年金保険料の免除等の申請が可能な期間」/「国民年金保険料の法定免除制度」(2026年10月時点)
審査で見られること
免除・納付猶予の審査では、申請する年度に対応する前年の所得などが見られます。
免除は本人・配偶者・世帯主、納付猶予は本人と配偶者の所得が審査の対象で、納付猶予では世帯主の所得は問われません。
同じ世帯の世帯主や配偶者の所得が基準を超えると、本人の所得が少なくても承認されない場合があります。
地方税法に定める障害者・寡婦・ひとり親にあたる方は所得の基準額が変わるため、詳しくは窓口でご確認ください。
基準になる金額は見直されることがあるため、ここには書きません。
最新の内容は、日本年金機構の案内で確認できます。

出典: 日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」/「国民年金保険料の免除等の申請が可能な期間」(2026年10月時点)
法定免除の対象と届出
法定免除は、申請ではなく届出で免除される制度です。
表の法定免除の対象に当てはまる方は、「国民年金保険料免除事由(該当・消滅)届」を、住民登録をしている市区役所または町村役場の国民年金窓口に提出します。
障害年金は、年金証書が届いたら窓口に相談するよう案内されています。
生活扶助を受けている方の収入の扱いは、生活保護と併用したときの収入の扱いで別に解説しています。
障害厚生年金の3級など、障害等級が2級に満たない場合は、法定免除の対象になりません。
この場合は、申請による免除・納付猶予が選択肢になります。
出典: 日本年金機構「国民年金保険料の法定免除制度」/「障害年金」(2026年10月時点)
免除と未納は何が違う?
免除と納付猶予は、承認を受けた期間が年金の受給資格期間に入ります。
障害基礎年金などの保険料納付要件でも、病気やけがが起きる前に申請して承認を受けた期間は、未納として扱われません。
手続きをしないままの未納期間は、どちらにも入りません。
ただし年金額への反映は、免除と納付猶予で違います。

納付・免除・猶予・未納の比較
表の受給資格期間は、老後に受け取る国民年金(老齢基礎年金)を受け取るために必要な、納付や免除などの期間です。
納付要件は、障害基礎年金などを受け取るために必要な、保険料の納付や免除の状況の条件です。
| 状態 | 受給資格期間(老齢基礎年金) | 年金額(老齢基礎年金) | 障害基礎年金などの納付要件 |
|---|---|---|---|
| 納付した | 入る | 反映される | 入る |
| 全額免除・一部免除 | 入る | 免除の割合に応じて反映される | 入る |
| 納付猶予 | 入る | 反映されない(追納すると反映) | 入る |
| 未納 | 入らない | 反映されない | 入らない |
一部免除は、減額された保険料を納めていることが条件です。
また、納付要件の「入る」は、病気やけがが起きる前に申請して承認を受けた期間についてです。
出典: 日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」(2026年10月時点)
将来の年金額と追納
全額免除の期間(平成21年4月以降)は、保険料を全額納めた場合の年金額の2分の1が、老齢基礎年金に反映されます。
手続きをせず未納になると、この2分の1も受け取れません。
納付猶予の期間は、追納しないと年金額に反映されません。
免除・納付猶予を受けた期間の保険料は、追納が承認された月の前10年以内の分を、後から納めて(追納)、年金額を満額に近づけられます。
免除・納付猶予の承認を受けた期間の翌年度から数えて3年度目以降に追納するときは、当時の保険料額に加算額が上乗せされます。
老齢基礎年金を受け取れる方は、追納できません。
追納の手続きは、お近くの年金事務所で行います。
出典: 日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」/「国民年金保険料の追納制度」(2026年10月時点)
障害基礎年金の保険料納付要件
障害基礎年金を受け取るには、病気やけがで初めて医師の診療を受けた日(初診日)の前日に、保険料納付要件を満たしている必要があります。
原則は、初診日がある月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料を納めた期間と免除された期間を合わせて3分の2以上あることです。
なお、病気やけがの初診日が20歳前(年金制度に加入していない期間)にある場合は、この納付要件は不要とされています。
病気やけがが起きてから、過去の期間について免除等を申請しても、納付要件には算入されません。
そのため日本年金機構は、免除等の申請を速やかに行うよう案内しています。
出典: 日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」/「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」(2026年10月時点)
免除・納付猶予の申請先と手続き
申請先と必要なもの
申請先は、お住まいの市区町村の国民年金窓口か、お近くの年金事務所です。
申請書は郵送でも提出でき、電子申請(日本年金機構「個人の方の電子申請(国民年金)」)も利用できます。
基本の必要書類は、基礎年金番号がわかる書類(基礎年金番号通知書など)かマイナンバーカードです。
所得を証明する書類の添付は原則不要です。
ただし、本人・配偶者・世帯主のうち税の申告をしていない方がいる場合は、先に市区町村で申告します。
藤沢市にお住まいの方の場合は、市役所の保険年金課または各市民センター(藤沢・村岡を除く)で申請できます。
出典: 日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」/「個人の方の電子申請(国民年金)」/藤沢市「国民年金保険料免除・納付猶予制度について」(2026年10月時点)
申請の流れと期間
申請の流れは次のとおりです。
必要書類を用意
↓
申請書を提出
↓
審査
↓
結果の通知

申請できるのは、保険料の納付期限から2年を経過していない期間で、申請時点から2年1カ月前までさかのぼれます。
免除・納付猶予の年度は7月から翌年6月までで、1枚の申請書で申請できるのは1年度分です。
出典: 日本年金機構「国民年金保険料の免除等の申請が可能な期間」(2026年10月時点)
ほまれの家 長後店の給料と勤務条件
給料と勤務時間
ほまれの家 長後店は、雇用契約を結んで働くA型事業所で、給料と勤務時間は次のとおりです。
- 給料: 神奈川県の最低賃金以上
- 月収の目安: 最高で約12.1万円(1日4.5時間×平日約21日勤務の場合・2026年10月時点)
- 勤務時間: 10:00〜15:30
- スタート時の勤務時間・日数: 体調やご状況に合わせて調整できます
ただし、最終的には週5日の安定した通所を目指せる方を対象としています。
なお、勤務時間は事業所ごとに異なります。
給料が最低賃金を下回っていないかの確認方法は、別の記事にまとめています。
実際の月収は、勤務日数と勤務時間で変わります。
国民年金の免除や納付猶予の審査は、前年の所得や世帯の状況などで決まるため、月収の目安だけでは判断できません。
制度上、厚生年金に入るかどうかは、勤務時間や日数などの条件で決まります。
見学・体験
当事業所の見学・体験は、次のとおりです。
- 見学: 約30分〜1時間、無料(予約はLINEから)
- 体験利用: 2〜5日間、無料
勤務時間や日数など、働き方についてのご相談は、見学・体験のときにお受けしています。
よくある質問
Q. 親などの家族に扶養されていても、国民年金は自分で納めるのですか?
A. 国民年金で扶養にあたる第3号被保険者は、厚生年金に加入している方に扶養されている配偶者です。
親などに扶養されている場合は第3号被保険者にならず、20歳以上60歳未満で厚生年金に加入していなければ、第1号被保険者として加入します。
納めるのが難しいときは、免除や納付猶予の対象になるかを、お住まいの市区町村の窓口で確認できます。
出典: 日本年金機構「国民年金の『第1号被保険者』、『第3号被保険者』とは何ですか。」(2026年10月時点)
Q. 免除や納付猶予の申請は、毎年必要ですか?
A. 原則として毎年度の申請が必要ですが、全額免除または納付猶予が承認された方は、翌年度以降も継続して審査を希望できます。
継続審査を希望した方で、結婚や離婚などで配偶者の状況が変わったときは、配偶者状況変更届の提出が必要です。
失業などによる特例免除は、翌年度も申請が必要です。
出典: 日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」(2026年10月時点)
Q. 障害者手帳があれば、国民年金は免除になりますか?
A. 法定免除の主な対象は、本文の「免除・納付猶予・法定免除の種類」の表に載せています。
障害者手帳の有無は、その条件に挙がっていません。
手帳の有無だけで免除が決まる仕組みではなく、申請による免除は所得などの審査で決まります。
詳しくは、お住まいの市区町村の窓口か年金事務所でご確認ください。
出典: 日本年金機構「国民年金保険料の法定免除制度」/「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」(2026年10月時点)
Q. 家族や支援者が代わりに手続きできますか?
A. 年金事務所などの手続きを代理人に任せるときは、本人が作成した委任状の提出が必要です。
一例として、藤沢市では、住民票上別世帯の代理人が免除・納付猶予を申請するとき、代理人の本人確認書類と委任状が必要です(2026年10月時点)。
必要な書類は、申請先に事前にご確認ください。
出典: 日本年金機構「全国の相談・手続き窓口」/藤沢市「国民年金保険料免除・納付猶予制度について」(2026年10月時点)
まとめ|A型の国民年金で確認すること
- 厚生年金に入っていれば国民年金にも同時に加入し、入らなければ第1号被保険者として保険料を自分で納めます
- 払えないときは未納のままにせず、免除や納付猶予(法定免除は届出)を申請でき、未納とは将来の年金や障害年金の扱いが違います
- 申請先は、お住まいの市区町村の国民年金窓口か年金事務所です
まずは、お住まいの窓口でご自身の場合を確認してみてください。
当事業所の見学・体験については、見学・体験の流れをご覧ください。
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執筆: ほまれの家 長後店 編集部(運営者情報・コンテンツ制作方針)

