就労継続支援A型で配慮は頼める?体調・勤務時間の伝え方

就労継続支援A型で働き始めたあと、「体調や勤務時間の配慮をお願いしてもよいのだろうか」と迷う方は少なくありません。
この記事では、藤沢市のA型事業所「ほまれの家 長後店」が、頼める配慮の内容と伝え方、難しいと言われたときの進め方を整理しました。
配慮の範囲は事業所ごとに違うため、利用前に確かめておきたい点もご紹介します。
ゆっくり読み進めてください。
A型で体調や勤務時間の配慮は頼める?
頼むことができます。
A型は原則として事業所と雇用契約を結んで働くため、体調や勤務時間で困っていることは、入所後でも事業所に申し出られます。
ただし、どこまで対応できるかは事業所ごとに違うため、話し合いながら決めていきます。
合理的配慮は入所後も申し出られる
A型事業所(A型作業所と呼ばれることもあります)は、原則として利用者と雇用契約を結びます。
これは、運営の基準で定められています。
障害者を雇用する事業主には、合理的配慮を提供する義務があります。
事業主とは働く人を雇う側のことで、A型事業所では運営する法人などが当たります。
合理的配慮の提供義務は、障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)で定められています。
ただし、事業主にとって負担が重すぎる「過重な負担」となる場合は、義務から除かれます。
合理的配慮とは、障害のある方が働くうえで支障になっていることを改善するために、事業主が講じる措置のことです。
厚生労働省のQ&Aは、A型事業所で障害者を雇用している事業主にも、この義務がかかると示しています。
厚生労働省の合理的配慮指針では、障害者は事業主の確認を待たずに、自分から支障になっている事情を申し出られるとされています。
なお、この義務は障害者雇用枠で働く場合に限った話ではありません。
障害者雇用枠との違いは、就労継続支援A型と障害者雇用の違いを解説した記事で整理しています。
出典: e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」/厚生労働省「事業主の方へ」/厚生労働省「合理的配慮指針」/厚生労働省「障害者雇用促進法に基づく障害者差別禁止・合理的配慮に関するQ&A【第三版】」(2026年10月時点)
A型で頼める配慮の内容
配慮の内容は、働く人の状況や職場の状況に合わせて決まるため、人によって違います。
厚生労働省の指針には、多くの事業主が対応できると考えられる措置が、障害の種類ごとに例として載っています。
そのうち、働き方に関わる主なものを、次の表にまとめました。
| 場面 | 配慮の例 |
|---|---|
| 出退勤・休憩 | 通院や体調に合わせて、出退勤の時刻、休暇、休憩に配慮する |
| 作業量 | 本人の負担や状況に合わせて、作業量を調整する |
| 指示の出し方 | 指示は内容を明確にして一つずつ出す。作業手順は分かりやすく示す |
| 休憩の場所 | できるだけ静かな場所で休憩できるようにする |
| 相談の担当者 | 業務の指導や相談について、担当者を決める |
| 周囲への説明 | 本人のプライバシーに配慮したうえで、ほかの人に必要な配慮を説明する |
これらはあくまで例であり、どの事業所でも必ず行われるものではありません。
表にない配慮が当てはまることもあります。

出典: 厚生労働省「合理的配慮指針」(2026年10月時点)
配慮はどう伝える?
困っている場面と、頼みたいことを分けて、具体的に伝えるのが基本です。
うまく言葉にできないときは、困っていることを伝えるだけでも、話し合いを始められます。
日々の相談や、定期の面談の場で、職員に伝えます。
困る場面と頼みたいことを整理する
申し出る前に、相談メモを作っておくと、伝え漏れを防ぐことができます。
メモには、困る場面、頼みたいこと、頻度や時間、代わりの案、見直しの時期の5つを書いておくと、話し合いが進みやすくなります。
たとえば「午後は疲れが出やすいので、休憩を1回増やしたい。難しければ、作業量を減らす案でもよい。しばらく試してから、もう一度相談したい」のように、短くて構いません。
指針でも、希望する配慮を具体的に申し出ることが難しい場合は、支障になっている事情を明らかにすれば足りるとされています。
配慮の必要性に医療面の判断が関わるときは、主治医にも相談してください。

出典: 厚生労働省「合理的配慮指針」(2026年10月時点)
頼む場面は日々の相談と定期の面談
配慮を頼む場面は、主に3つあります。
- 日々の相談: 体調や作業で困ったときに、職員に伝えます
- 定期の面談: 個別支援計画(支援の目標や内容をまとめた計画)を作るときや見直すときの面接で、希望や困りごとを伝えます
- 勤務日数や時間の変更: 雇用契約の内容を変える相談として、事業所と話し合います
個別支援計画は、サービス管理責任者(事業所に置かれ、支援計画づくりなどを担う職員)が利用者ごとに作ります。
A型事業所では、少なくとも半年に1回以上は見直すことが、運営の基準で定められています。
計画を作るときも、作ったあとの確認でも、利用者との面接が行われるため、希望や困りごとを伝える機会になります。
状況が変わったときは、次の見直しを待たずに申し出ることもできます。
勤務日数や時間の変更が雇用契約の内容の変更に当たる場合は、事業所と本人の合意で行い、内容はできる限り書面で確認するとされています。
日数の考え方は少ない日数から利用する場合の記事、休むときの相談は通所できないときの対応の記事も参考になります。
出典: e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」/厚生労働省「合理的配慮指針」/厚生労働省「労働契約法(条文)」(2026年10月時点)
配慮が難しいと言われたときの進め方
希望した配慮が、そのまま受け入れられないこともあります。
そのときは、次の順で進められます。
理由を聞く
↓
別の方法を話し合う
↓
外の窓口に相談する

理由を聞いて別の方法を話し合う
厚生労働省の指針では、希望された配慮が過重な負担に当たると事業主が判断した場合、実施できないことを本人に伝えるものとされています。
本人から求められたときは、その理由も説明するものとされています。
過重な負担かどうかは、業務への影響、実現の難しさ、費用や負担、企業の規模などを総合して、個別に判断されます。
実施できない場合でも、事業主は本人と話し合い、意向を十分に尊重します。
そのうえで、過重な負担にならない範囲で別の措置を取ることとされています。
あくまで一例ですが、休憩を増やす案が難しいときに、作業量を調整する案を話し合う、といった進め方があります。
出典: 厚生労働省「合理的配慮指針」/厚生労働省「障害者雇用促進法に基づく障害者差別禁止・合理的配慮に関するQ&A【第三版】」(2026年10月時点)
事業所の外にも相談先がある
まずは、事業所の相談窓口や、サービス管理責任者に相談します。
事業主は、配慮についての相談に応じる窓口を定めて周知することが、指針で求められています。
配慮について相談したことを理由に、解雇などの不利益な取扱いをしてはならない旨を定めて周知することも、あわせて求められています。
話し合いだけでは解決が難しいときは、都道府県労働局(国の労働行政を担う地方の機関)に、紛争解決の援助を求められます。
援助には、助言・指導・勧告と、第三者による調停があります。
福祉サービスの利用で迷うときは、お住まいの市区町村の障害福祉の窓口にも相談できます。
受けられる支援の内容は、市区町村によって異なります。
相談支援専門員(サービス等利用計画づくりを担当する専門職)に相談する方法もあります。
出典: 厚生労働省パンフレット「働く障害のある方へ」/厚生労働省「合理的配慮指針」/厚生労働省「障害者雇用促進法に基づく障害者差別禁止・合理的配慮に関するQ&A【第三版】」/厚生労働省「障害のある人に対する相談支援について」(2026年10月時点)
見学・体験で確かめたいこと
利用を決める前に、体調の悪い日、勤務時間・休憩、通院の日、相談できる人について、見学や体験で質問できます。
指示の出し方や、作業手順の分かりやすさも、確かめたい点です。
「配慮をしています」という説明だけでなく、何をしているかを具体的に聞くと、イメージしやすくなります。

ほまれの家 長後店で相談できること
当事業所で相談できる働き方の調整と、スタッフ体制、見学・体験の概要は、次のとおりです。
- 勤務日数・時間: スタート時の日数や時間は、体調やご状況に合わせて相談できます
- 整えている制度: 短時間勤務、時差出勤、有給の時間単位取得
- 在宅勤務: 実施していますが、採用当初からは行っていません。通所から始め、習熟度や体調に応じて切り替えを検討します(担当する作業によっては難しい場合があります)
- スタッフ体制: 仕事をサポートするスタッフ3名、サービス管理責任者1名
- 見学: 約30分〜1時間、無料(予約はLINEから)
- 体験利用: 2〜5日間、無料
ただし当事業所は、最終的に週5日の安定した通所を目指せる方を対象としています。
一人ひとりのペースに合わせてサポートしますので、まずはご相談ください。
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実際の1日の過ごし方は、1日の流れを紹介した記事をご覧ください。
よくある質問
Q. 配慮を頼むには、障害者手帳や診断書が必要ですか?
A. 配慮の対象となる障害者は、障害者手帳を持つ方に限られません。
障害者であることの確認は、手帳のほか、受給者証(障害福祉サービスを利用するための証明書)で行われることがあります。
障害名などを書いた医師の診断書・意見書で確認する場合もあります。
どの書類が必要かは、先に事業所に確認してください。
出典: 厚生労働省「障害者雇用促進法に基づく障害者差別禁止・合理的配慮に関するQ&A【第三版】」(2026年10月時点)
Q. 頼んだ内容は、ほかの利用者に知られますか?
A. ほかの人への説明は、本人の意向を踏まえて行うものとされています。
説明する内容や範囲は、事前に本人と打ち合わせておくことが大切だと、厚生労働省のパンフレットが示しています。
相談した人のプライバシーを守る措置も、事業主に求められています。
伝えたくないことがあるときは、最初に事業所へ伝えてください。
出典: 厚生労働省パンフレット「(事業主の方へ)雇用分野における障害者差別は禁止、合理的配慮の提供は義務です」/厚生労働省「合理的配慮指針」(2026年10月時点)
Q. ご家族や支援者から配慮をお願いしてもよいですか?
A. 本人の意向が基本です。
ただし、本人の意向を十分に確認しにくいときは、家族や支援機関の担当者から意見を聞くことも有効とされています。
意向を伝えにくいときは、就労支援機関の職員などに補佐を求めても差し支えないとされています。
出典: 厚生労働省パンフレット「(事業主の方へ)雇用分野における障害者差別は禁止、合理的配慮の提供は義務です」/厚生労働省「合理的配慮指針」/厚生労働省「障害者雇用促進法に基づく障害者差別禁止・合理的配慮に関するQ&A【第三版】」(2026年10月時点)
Q. 入所前の見学・体験のときに、配慮を伝えておくべきですか?
A. 伝えるかどうかは、ご自身で決められます。
準備に時間がかかる配慮もあるため、気になる点は、見学や体験で早めに質問する方法があります。
面接の進め方は面接なしで利用できるかを解説した記事、履歴書での伝え方は履歴書の書き方の記事で紹介しています。
出典: 厚生労働省「合理的配慮指針」/厚生労働省「障害者雇用促進法に基づく障害者差別禁止・合理的配慮に関するQ&A【第三版】」(2026年10月時点)
まとめ|配慮は具体的に伝えて話し合う
- A型は原則として雇用契約を結ぶため、入所後でも体調や勤務時間の配慮を事業所に申し出られます
- 困る場面と頼みたいことを分けて伝え、難しいと言われたときは、理由を聞いて別の方法を話し合います
- 配慮の範囲は事業所ごとに違うため、見学や体験で具体的に確かめておくと安心です
気になる点は、見学や体験のときに質問してみてください。
当事業所の見学・体験については、見学・体験の流れをご覧ください。
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執筆: ほまれの家 長後店 編集部(運営者情報・コンテンツ制作方針)

