就労継続支援A型と障害者雇用、何が違う?雇用率制度から比較

就労継続支援A型と障害者雇用の違いを比較する記事のアイキャッチ

就労継続支援A型で働くうち、障害者雇用(障害者雇用枠)とは何が違うのか気になる方もいるのではないでしょうか。

藤沢市のA型事業所「ほまれの家 長後店」が、法定雇用率の仕組みやオープン就労という働き方の位置づけなど、障害者雇用枠に絞った違いを整理しました。

ご自身に合う働き方を考えるときの参考にしてください。

就労継続支援A型と障害者雇用、何が違う?

障害者雇用(障害者雇用枠)は、法定雇用率にもとづき企業が直接雇用する枠組みです。

就労継続支援A型は福祉サービスとして事業所と契約する働き方で、契約相手が異なります

一般就労全体との違いは就労継続支援A型と一般就労の違い(4つの視点で比較)でも比較しています。

障害者雇用(障害者雇用枠)の仕組み

法定雇用率にもとづく採用の枠組み

この法定雇用率は、民間企業に障害のある方の雇用を義務づける国の制度です。

現在の法定雇用率は2.7%で、従業員を37.5人以上雇用する事業主には、障害のある方を1人以上雇用する義務があります。

ただし、これは企業側に課された義務であり、対象となる企業なら必ず採用してもらえるという意味ではありません。

対象となる障害者手帳

法定雇用率の算定対象となるのは、原則として次のいずれかの障害者手帳を持つ方です。

  • 身体障害者手帳
  • 療育手帳
  • 精神障害者保健福祉手帳

手帳の種類によって対象となるかどうかが決まるため、応募を検討するときの目安になります。

出典: 厚生労働省「事業主の方へ」(2026年8月時点)

法定雇用率にもとづく障害者雇用枠のイメージ図

違い①契約する相手

A型は福祉サービスとして事業所と契約

就労継続支援A型は、障害福祉サービスの一つです。

利用者は事業所と雇用契約を結び、福祉のサポートを受けながら働きます。

制度の詳しい仕組みは、就労継続支援A型とはどんなサービス?で解説しています。

障害者雇用は法定雇用率をもとに企業と契約

一方、障害者雇用枠は、前の章で紹介した法定雇用率にもとづく採用枠です。

契約する相手が福祉事業所ではなく企業である点が、就労継続支援A型との大きな違いです。

違い②オープン就労という働き方の位置づけ

障害者雇用枠は障害を開示して働く「オープン就労」

障害者雇用枠に応募する場合、原則として応募の時点で障害があることを企業に伝えます。

このような働き方は、業界では一般に「オープン就労」と呼ばれることがあります。

ただし、これは法令上の正式な用語ではなく、慣用的な呼び方です。

一方、障害があることを伝えずに一般の求人へ応募する働き方は「クローズ就労」と呼ばれることがあります。

ハローワークインターネットサービス「障害者の方への支援」にも、障害のある方向けの求人のほか、一般の求人に応募できる旨の案内があります。

どちらを選ぶかは、ご本人の状況に応じて検討できます。

A型は障害福祉サービスの利用という位置づけ

就労継続支援A型は、障害者雇用促進法にもとづく採用枠ではなく、障害者総合支援法にもとづく障害福祉サービスです。

利用には受給者証(支給決定)が必要で、オープン就労やクローズ就労とは異なる仕組みで運営されています。

障害者雇用枠での就職相談をイメージした図

違い③サポートを受ける仕組み

A型は支援員・サービス管理責任者が常駐

当事業所の令和7年度実績では、仕事をサポートする職員が3名、サービス管理責任者が1名という体制です。

あくまでも当事業所の一例であり、体制は事業所によって異なります。

障害者雇用は企業の合理的配慮の提供義務が土台

障害者雇用枠で働く場合、企業には「合理的配慮」の提供義務があります。

募集・採用や働くうえで、本人からの申出に応じて、障害の特性に配慮した必要な措置を講じる義務です(過重な負担となる場合を除く)。

また、障害のある方を5人以上雇用する事業所では「障害者職業生活相談員」を選任する義務があります。

職場での適応を支援する「ジョブコーチ」による派遣支援を、無料で利用できる場合もあります。

配慮の内容や手厚さは企業ごとに異なり、就労継続支援A型の体制と単純に比べられるものではありません。

出典: 厚生労働省「事業主の方へ」(2026年8月時点)

就労継続支援A型と障害者雇用のよくある質問

Q. 障害者雇用(障害者雇用枠)とはどんな仕組みですか?

A. 法定雇用率にもとづき、企業が障害のある方を1人以上雇用する義務を負う仕組みです。

民間企業の法定雇用率は2.7%で、従業員37.5人以上を雇用する事業主が対象になります(2026年8月時点)。

Q. 障害者雇用枠で働く場合、障害を会社に伝える必要がありますか?

A. はい、障害者雇用枠は障害があることを伝えて働く「オープン就労」が前提です。

障害を伝えずに一般の求人へ応募する「クローズ就労」という選択肢を選ぶ方もいます。

Q. 障害者雇用枠で働くには、障害者手帳が必要ですか?

A. 原則として、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳のいずれかが必要です。

就労継続支援A型は、手帳がなくても主治医の診断書があれば利用できる点が異なります。

Q. 就労継続支援A型から障害者雇用枠に転職することはできますか?

A. 目指すことは可能です。

一般就労全体へのステップアップについては、前述の記事でも紹介しています。

また、就労移行支援を利用して一般就労(障害者雇用枠を含む)を目指す方法もあります。

詳しくは就労継続支援A型と就労移行支援の違いをご覧ください。

まとめ|障害者雇用枠との違いを知る

  • 障害者雇用は法定雇用率にもとづき企業と直接契約する採用枠、就労継続支援A型は福祉サービスとして事業所と契約する働き方という前提が違います。
  • 障害者雇用枠は障害を開示する「オープン就労」で、原則として障害者手帳の所持が前提です。
    就労継続支援A型は福祉サービスの利用という別の位置づけで、診断書でも利用できます。
  • サポートの受け方も、就労継続支援A型は支援員が常駐する体制、障害者雇用は企業の合理的配慮義務が土台と、仕組みが異なります。

ご自身に合う働き方を考えるうえで、実際の事業所の様子を知ることも参考になります。

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執筆: ほまれの家 長後店 編集部(運営者情報・コンテンツ制作方針