就労継続支援A型で自立支援医療は使える?収入と負担上限の関係

就労継続支援A型で働きながら通院を続けている方にとって、医療費の負担をどう軽くするかは気になる点の1つです。
この記事では、藤沢市のA型事業所「ほまれの家 長後店」が、自立支援医療(精神通院)を働きながら使えるのか、負担の上限は何で決まるのか、申請や更新はどこで行うのかを、国や自治体の案内で整理しました。
金額や基準額は改定されることがあるため、仕組みと確認先を中心にご案内します。
A型事業所で働きながら自立支援医療は使える?
自立支援医療(精神通院)の対象は、国の案内では、精神障害により通院による治療を続ける必要がある程度の状態の方とされています。
A型事業所で働いているかどうかは、条件として示されていません。
ただし、世帯の所得が一定以上の場合は、対象外になることがあります。申請と更新は、お住まいの市区町村の窓口で行います。
自立支援医療(精神通院)とは
自立支援医療(精神通院)は、通院して受ける医療の自己負担を軽くするための公費負担の制度です。
公費負担とは、国や自治体が医療費の一部を負担する仕組みのことです。
A型事業所(A型作業所と呼ぶ方もいます)で働く方も、対象になるかどうかは、主治医や市区町村の窓口で確認できます。
医療費の軽減を受けられるのは、自立支援医療受給者証(医療機関で提示する証明書)に記載された指定自立支援医療機関(都道府県などが指定した病院・診療所など)での医療です。
受診のたびに、この受給者証などを提示します。
なお、自立支援医療には更生医療・育成医療もありますが、この記事では精神通院医療を取り上げます。
出典: 厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)について」/厚生労働省「自立支援医療」(2026年10月時点)
障害福祉サービスの受給者証とは別の制度
自立支援医療は、A型事業所を利用するときに市区町村から交付される障害福祉サービスの受給者証とは、別の制度です。
月額の負担上限も、制度ごとに別に決まります。違いは次の表のとおりです。
| 項目 | 自立支援医療(精神通院) | 障害福祉サービス(A型など) |
|---|---|---|
| 対象となる費用 | 通院の医療費の自己負担 | サービスの利用料 |
| 受給者証 | 自立支援医療受給者証 | 障害福祉サービスの受給者証 |
| 世帯の範囲 | 同じ医療保険に加入している人 | ご本人とその配偶者(18歳以上の場合) |
| 有効期間 | 1年以内で、更新が必要 | 受給者証に記載 |
障害福祉サービスの受給者証の有効期間と更新の流れは、受給者証の更新手続きを解説した記事で確認できます。

出典: 厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)について」/厚生労働省「障害者の利用者負担」(2026年10月時点)
自己負担と月額上限の仕組み
自己負担は原則1割、上限は世帯の所得で決まる
自己負担の仕組みを、項目ごとに表にまとめました。
| 項目 | 仕組み | 確認先 |
|---|---|---|
| 自己負担の割合 | 公的医療保険で3割のところ、原則1割になります | 自立支援医療の受給者証、指定自立支援医療機関 |
| 月額の負担上限 | 世帯の所得に応じた区分(生活保護・低所得・中間所得など)ごとに、1か月の上限が決まります | 自立支援医療の受給者証、市区町村の窓口 |
| 対象になる医療 | 通院して受ける医療(外来、デイ・ケア、訪問看護など) | 指定自立支援医療機関 |
金額は改定されることがあるため、ここには書きません。
最新の上限は、自立支援医療の受給者証の記載や、厚生労働省「自立支援医療における利用者負担の基本的な枠組み」、お住まいの市区町村の窓口で確認できます。

出典: 厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)について」/厚生労働省「自立支援医療における利用者負担の基本的な枠組み」(2026年10月時点)
収入制限にあたる一定所得以上の扱い
世帯の所得が一定以上の場合は、原則として自立支援医療(精神通院)の対象外になります。
いわゆる収入制限にあたる部分です。ただし、医療費が高額な治療を長く続ける必要がある場合など、一定の条件に当てはまると、別の上限や特例の扱いになることがあります。
特例には期限が設けられていて見直されることがあるため、最新の扱いは、窓口に問い合わせて確かめてください。
出典: 厚生労働省「自立支援医療における利用者負担の基本的な枠組み」/神奈川県「自立支援医療(精神通院医療)」/藤沢市「自立支援医療(精神通院)」(2026年10月時点)
収入が増えると上限はどうなる?
上限の区分は、ご本人の収入も含めて、同じ医療保険に加入している人たちの所得をもとに決まります。
見る材料は、市町村民税(住民税)の課税状況などです。
働き始めて加入する健康保険が変わるなど、世帯の範囲や課税の状況が変わると、区分が変わることがあります。
「世帯」は同じ医療保険に入る人
ここでいう「世帯」は、住民票上の世帯とは違います。
厚生労働省の案内では、通院される方と同じ公的医療保険に加入する方を、同じ世帯として捉えるとされています。
たとえば藤沢市の案内では、「一定所得以上」かどうかを市民税所得割額(所得に応じて決まる住民税の部分)で見るとされています。
社会保険などの場合は被保険者本人の額、国民健康保険の場合は加入者全員の額の合計です。
被保険者とは、健康保険に加入している本人として登録されている人のことです。
そのため、家族の健康保険に入っている場合と、ご自身が勤務先の健康保険に入った場合とでは、所得を見る人が変わることがあります。
課税の決まり方や健康保険の扶養については、給料の税金と扶養の考え方を解説した記事で整理しています。
出典: 厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)について」/藤沢市「自立支援医療(精神通院)」(2026年10月時点)
働き始めたときに確認したいこと
- 加入する健康保険が変わったとき: 藤沢市の案内では、お持ちの自立支援医療の受給者証などを窓口に持参して、変更の手続きをします
- 更新のとき: 世帯の所得の状況が確認できる書類(市町村民税の課税証明書など)を出します。藤沢市では、市で税額を確認できる方は省略できる場合があります
- 転居したとき: 藤沢市の案内では、市内で転居した場合も、窓口で手続きをします
働き方や保険が変わったときは、更新を待たずに窓口へ相談しておくと安心です。
出典: 藤沢市「自立支援医療(精神通院)」/厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)について」(2026年10月時点)
手帳がないときの書類と自立支援医療受給者証
A型事業所を利用するには、市区町村から障害福祉サービスの受給者証の交付を受けます。
申請に使える書類は自治体が案内していて、藤沢市の案内では、次のうちお持ちのものを窓口に持参するとされています(2026年10月時点)。
- 障がい者手帳
- 自立支援医療証
- 特定医療費(指定難病)医療受給者証
- 精神障がいに係る診断書
このうち「自立支援医療証」は、藤沢市の案内での呼び方で、自立支援医療の受給者証のことです。
国の案内では、自立支援医療の申請に必要な書類に、障害者手帳は含まれていません。そのため、手帳がなくても、自立支援医療は申請できます。
ただし、申請には医師の診断書が必要で、対象になるかどうかは通院の必要性などを踏まえて判断されます。
自立支援医療の受給者証は、障害福祉サービスを使うための条件ではなく、申請で書類の1つとして使えることがあるという位置づけです。
ただし、取り扱いは自治体によって違うため、お住まいの市区町村の窓口で確認してください。
障害福祉サービスの申請に使う診断書の準備については、障害福祉サービスの受給者証の審査期間と申請のコツもご覧ください。
出典: 藤沢市「介護給付・訓練等給付のご案内」/厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)について」(2026年10月時点)
申請と更新の流れ・確認先
申請の流れと窓口
自立支援医療の申請は、お住まいの市区町村の担当窓口で行います。
藤沢市にお住まいの方の場合は、障がい者支援課などが窓口です。
神奈川県内では、横浜市・川崎市・相模原市にお住まいの方は、各市で認定が行われます。
申請から受診までの流れは、次のとおりです。
診断書を依頼
↓
窓口で申請
↓
審査・認定
↓
受給者証が届く
↓
受診で提示

診断書は、指定自立支援医療機関の医師に記入を依頼します。
藤沢市の案内では、申請から交付まで2か月程度かかるとされています。
申請に必要な書類は、国の案内では次のとおりです。
自治体によって異なる場合があるため、事前に窓口へ問い合わせてください。
- 申請書
- 医師の診断書
- 世帯の所得の状況がわかる資料
- 健康保険の加入状況がわかるもの
- マイナンバーの確認書類
出典: 厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)について」/神奈川県「自立支援医療(精神通院医療)」/藤沢市「自立支援医療(精神通院)」(2026年10月時点)
更新と変更の手続き
自立支援医療の受給者証の有効期間は1年以内で、更新の受け付けは、おおむね有効期間が終わる3か月前から始まります。
藤沢市の案内では、原則として有効期限の3か月前に再申請のお知らせが郵送されます。
届かないときは、障がい者支援課に問い合わせるよう案内されています。
このほか、藤沢市の案内では、通院する医療機関を変えるときも、窓口での手続きが必要とされています。
診断書は、国の案内では、状況に変更がなければ2回に1回は省略できます。
藤沢市の案内では、提出は2年に1度で、必要かどうかは自立支援医療の受給者証に記載されています。
手続きや通院のために休みたいときは、通所できないときの相談先を解説した記事もご覧ください。
休みの取り方は、有給休暇の申請方法を解説した記事でも紹介しています。
出典: 厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)について」/藤沢市「自立支援医療(精神通院)」(2026年10月時点)
ほまれの家 長後店の見学・体験と勤務条件
当事業所の見学・体験の流れと、勤務時間は、次のとおりです。
- 見学: 約30分〜1時間、無料(予約はLINEから)
- 体験利用: 2〜5日間、無料
- 面接・契約: 体験の結果を踏まえて、個別にご案内
- 勤務時間: 10:00〜15:30(スタート時の日数や時間は、体調やご状況に合わせて相談できます)
- 手帳がない場合: 主治医の診断書があれば、利用のご相談を受け付けています
ただし当事業所は、最終的に週5日の安定した通所を目指せる方を対象としています。
よくある質問
Q. 自立支援医療は、どんな医療費にも使えますか?
A. 使えるのは、自立支援医療の受給者証に記載された指定自立支援医療機関での、精神障害に関わる通院の医療です。
入院の費用、公的医療保険の対象にならない治療、精神障害と関係のない病気の医療費は、対象外とされています。
出典: 厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)について」(2026年10月時点)
Q. 引っ越したときの手続きは?
A. 転居先の市区町村の窓口で、手続きが必要になります。
藤沢市の案内では、県外や、横浜市・川崎市・相模原市から転入する場合は、神奈川県発行の自立支援医療の受給者証への切替えになり、申請から2か月程度かかるとされています。
転居が決まったら、早めに転居先の窓口に相談してください。
出典: 藤沢市「自立支援医療(精神通院)」(2026年10月時点)
Q. 自立支援医療の受給者証の有効期限が切れてしまったらどうなりますか?
A. 期限が過ぎたあとの扱いは、自治体によって違う場合があります。
たとえば大和市の案内では、有効期限が過ぎてから申請した場合、申請が受理されるまでの間は、自立支援医療費が適用されないとされています。
期限が近づいたら、早めにお住まいの市区町村の窓口で手続きをしてください。
出典: 厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)について」/大和市「自立支援医療費(精神通院)」(2026年10月時点)
Q. 自立支援医療の受給者証は、A型事業所に出す必要はありますか?
A. A型の利用には、自立支援医療の受給者証とは別に、障害福祉サービスの受給者証が必要です。
国の案内で、自立支援医療の受給者証を提示する先として示されているのは、受診のときの指定自立支援医療機関です。
一方、障害福祉サービスの受給者証の申請では、藤沢市の案内のように、市区町村の窓口で自立支援医療証を示すことがあります。
事業所への伝え方や必要な書類は事業所によって異なることがあるため、見学や体験のときに直接確認してください。
出典: 厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)について」/藤沢市「介護給付・訓練等給付のご案内」(2026年10月時点)
まとめ|自立支援医療とA型で確認すること
- 自立支援医療(精神通院)は通院の医療費の自己負担を軽くする制度で、A型事業所で働いているかどうかは、対象の条件として示されていません
- 負担の上限は、ご本人の収入も含め、同じ医療保険に加入する人たちの所得をもとに決まる区分で見ます
- 手帳がない場合の書類や、申請・更新は、お住まいの市区町村の窓口で確認できます
制度を使うかどうかは、主治医や市区町村の窓口にも相談しながら決められます。
当事業所の見学・体験は無料で、進め方は見学・体験の流れで紹介しています。
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執筆: ほまれの家 長後店 編集部(運営者情報・コンテンツ制作方針)

