就労継続支援A型で解雇・契約終了になることはある?仕組みと相談先

雇用契約を結んで働く就労継続支援A型では、契約が終わる場面があるのか、気になる方もいるかもしれません。
この記事では藤沢市のA型事業所「ほまれの家 長後店」が、解雇や雇止めに関する法律のルール、契約書で確認したい点、困ったときの相談先を整理しました。
法律で定められた枠があることを知っておけば、落ち着いて備えることができます。
就労継続支援A型で解雇や契約終了になることはある?
就労継続支援A型でも、事業所の側から契約が終わる場合として、解雇や、期間満了で更新されない雇止めがあります。
解雇には法律で定められた条件があり、事業所が自由に行えるものではありません。
雇止めにも、条件によっては理由が必要になるなどのルールがあります。
不安なときは、労働基準監督署などに相談できます。
契約が終わる主な場面
契約期間があらかじめ決まっていて、期間ごとに更新するかどうかを決める契約を「期間の定めのある契約」といいます。
解雇(一般に「クビ」と呼ばれることもあります)は、事業所の側から契約を終わらせることで、期間の定めの有無にかかわらず起こり得ます。
雇止めは、更新を希望しても事業所が応じず、契約期間の満了で更新されないことで、期間の定めのある契約だけが対象です。
解雇と雇止めでは、場面・対象の契約・関わるルールが異なります。
解雇には解雇の予告と解雇の理由に関するルールが、雇止めには更新への期待と更新しない予告に関するルールがあります。
事業所の廃止に伴う契約終了は、解雇のルールの中で触れます。
ご本人から辞める場合は、この記事では扱いません。
個別の状況は、この記事だけで断定することはできません。
出典: 厚生労働省「確かめよう労働条件」退職、解雇、雇止めなど(2026年10月時点)

解雇や雇止めのルールが及ぶ理由
就労継続支援A型は雇用契約を結んで働く制度のため、労働基準法や労働契約法など、労働に関する法律が適用されます。
全体像は、A型の雇用契約と適用される法律で解説しています。
当事業所では、利用者の方と雇用契約を結んで働いていただいています。
B型は仕組みが異なり、この記事のルールは雇用契約を結ぶ働き方が前提です。
雇用契約を結ばないB型との違いもあわせてご確認ください。
出典: 厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」(2026年10月時点)、厚生労働省「就労系障害福祉サービスの概要」(2026年10月時点)
事業所から解雇されるときのルール
解雇には合理的な理由が必要
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は、解雇権の濫用として無効とされます(労働契約法第16条)。
客観的に合理的な理由とは、第三者から見ても納得できる理由があることです。
社会通念上相当とは、世間の常識に照らして、解雇という重い判断が妥当と考えられることです。
解雇権の濫用とは、解雇する権利があっても、理由が不相当なら認められないことをいいます。
判断では、落ち度の程度や行為の内容など、さまざまな事情が考慮され、有効かどうかは最終的に裁判所が判断します。
法律では、解雇が制限される期間や理由も定められています。
期間の定めのある契約では、契約期間の途中で解雇するには、やむを得ない事由が必要です(労働契約法第17条)。
出典: 厚生労働省「労働契約の終了に関するルール」(2026年10月時点)
解雇の予告と予告手当
事業所は解雇する場合、少なくとも解雇の日の30日前までに予告する必要があります(労働基準法第20条)。
予告がされないときは、30日分以上(日数が足りない予告のときは不足日数分以上)の平均賃金(解雇予告手当)を受け取る権利があります。
平均賃金とは、原則として、解雇の事由が生じた日以前の3か月間に支払われた賃金をもとに計算される、1日あたりの賃金額です。
予告の対象外となる例外もあります。
出典: 厚生労働省「確かめよう労働条件」退職、解雇、雇止めなど(2026年10月時点)
解雇の理由は書面で確認できる
解雇の予告を受けた日から退職の日までの間は、解雇の理由を記載した証明書を請求でき、事業所は遅滞なく交付する必要があります(労働基準法第22条第2項)。
交付されない場合は、労働基準監督署に相談できます。
解雇を告げられたときに確かめたいことは、解雇の理由を書面で確認すること、理由に合理性があるか(合理的か・社会通念上相当か)、予告や予告手当があったか、の3点です。
出典: 厚生労働省「確かめよう労働条件」Q&A「会社から解雇予告を受けました。解雇理由の証明書を請求できますか?」(2026年10月時点)

事業所の廃止に伴う契約終了
事業所の廃止や閉鎖で契約が終わる場合も、事業所の都合による契約終了の一つです。
解雇として扱われる場合は予告などのルールが関わりますが、個別の事情によって異なります。
廃止や閉鎖のときの具体的な動き方は、この記事では扱いません。
出典: 厚生労働省「労働契約の終了に関するルール」(2026年10月時点)、厚生労働省「確かめよう労働条件」退職、解雇、雇止めなど(2026年10月時点)
契約期間の満了で更新されないことはある?
期間の定めのある契約は、原則として期間が満了すると終わります。
ただし、更新が続いてきた場合などには、更新しない(雇止めをする)ときにも客観的に合理的な理由が必要になることがあります。
雇止めに理由が必要になる場合
雇止めにも客観的に合理的な理由が必要になるのは、次のどちらかに当てはまる場合です。
- 何度も更新している契約で、期間の定めのない契約と同じとみられる場合
- 更新を期待することに合理的な理由がある場合
この場合、更新しないことに客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と認められる場合でなければ、雇止めは認められません。
そのときは、それまでと同じ条件で契約が更新されたものとみなされます(労働契約法第19条)。
ただし、この規定が適用されるのは、期間の満了までに更新の申込みをした場合、または、期間の満了後に遅滞なく契約締結の申込みをした場合です。
更新を希望するときは、その意思を事業所に伝えておくことが大切です。
出典: 厚生労働省「労働契約の終了に関するルール」(2026年10月時点)、厚生労働省「確かめよう労働条件」Q&A「有期雇用契約の更新の際、契約更新の見込みを明らかにしてもらうことは可能?」(2026年10月時点)

更新しない場合の予告と理由の確認
有期労働契約の基準(厚生労働省告示)では、契約期間が満了する日の少なくとも30日前までに、更新しない旨を予告することとされています。
対象は、契約を3回以上更新している場合、または雇入れの日から1年を超えて継続勤務している場合です(あらかじめ更新しない旨が明示されていた契約を除きます)。
更新しない理由を記載した証明書を請求したときは、遅滞なく交付する必要があります。
出典: 厚生労働省告示「有期労働契約の締結、更新、雇止め等に関する基準」(2026年10月時点)
通所を休みがちなときの契約の考え方
就業規則の定めと法律の枠
解雇の事由は、雇用契約書(労働条件通知書)の「退職に関する事項」に含まれます。
就業規則(事業所が定めている、働くうえでのルールをまとめたもの)がある場合は、その定めもあります。
欠勤が続いた場合の扱いも、事業所ごとに定められていることがあります。
ただし、定めに当てはまることだけで解雇が当然に認められるわけではありません。
落ち度の程度や事情を踏まえ、「客観的に合理的な理由」と「社会通念上相当」かどうかで判断されます。
個別の判断は、この記事だけで断定できません。
出典: 厚生労働省「確かめよう労働条件」労働条件の明示(2026年10月時点)、厚生労働省「労働契約の終了に関するルール」(2026年10月時点)
当事業所で相談できること
体調や通院などで通所が難しいときは、早めに職員へ連絡・相談してください。
連絡の仕方や再開の進め方は、通所できないときの相談先と対応で解説しています。
ほまれの家 長後店には、短時間勤務や時差出勤の制度があり、体調に合わせた勤務時間を相談できます。
当事業所の有給休暇は法定どおりで、休む日に使えるかどうかは条件によります。
付与の条件や申請の流れは、A型の有給休暇の付与条件と申請の流れで解説しています。
出典: 厚生労働省「確かめよう労働条件」年次有給休暇について(2026年10月時点)
不安なときの確認先と相談先
契約書で確認したい点
労働条件のうち重要な事項は、書面で明示することとされています(労働基準法第15条)。
契約書や就業規則で確認したい点は、次の4つです。
- 契約期間(いつまでの契約か)
- 更新する場合の基準(何をもとに判断するか)
- 更新の上限(回数や通算期間の上限がある場合)
- 退職に関する事項(解雇の事由を含む)
更新の上限がある場合は、令和6年(2024年)4月から、契約を更新するときにも明示される事項に加わりました。
契約書の全体像は、雇用契約書に定められる主な労働条件で解説しています。
出典: 厚生労働省「確かめよう労働条件」労働条件の明示(2026年10月時点)、厚生労働省「確かめよう労働条件」Q&A「有期雇用契約の更新の際、契約更新の見込みを明らかにしてもらうことは可能?」(2026年10月時点)

相談できる窓口
まずは事業所の職員に、契約書・就業規則の定めを確認してみましょう。
迷ったときは相談窓口へご相談ください。
困ったときの相談先は、労働の相談と障がい福祉の相談で使い分けます。
| 相談の種類 | 窓口 | 相談できること |
|---|---|---|
| 労働の相談 | 労働基準監督署 | 労働基準法に関する相談(予告手当や理由の証明書など) |
| 労働の相談 | 総合労働相談コーナー | 解雇や雇止めの相談(有効かどうかなど、個別の労働トラブル) |
| 障がい福祉の相談 | お住まいの市区町村の障がい福祉窓口 | サービス利用の相談(情報提供など。内容は市区町村によって異なります) |
| 障がい福祉の相談 | 相談支援専門員 | 利用計画に関する相談 |
総合労働相談コーナーは、各都道府県の労働局や労働基準監督署内などに設置されており、所在地は総合労働相談コーナーのご案内の一覧で確認できます。
労働基準監督署の所在地は、都道府県労働局(労働基準監督署、公共職業安定所)所在地一覧で確認できます。
相談支援専門員は、障害福祉サービスの利用計画づくりを担当する専門職です。
担当の方がいない場合は、お住まいの市区町村の障がい福祉窓口にご相談ください。
出典: 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」(2026年10月時点)、厚生労働省「障害のある人に対する相談支援について」(2026年10月時点)、厚生労働省令「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定計画相談支援の事業の人員及び運営に関する基準」(2026年10月時点)

よくある質問
Q. 事業所から「辞めてほしい」と言われたら、すぐに応じなければいけませんか?
A. 解雇と、退職を勧められること(退職勧奨)は別で、勧めに応じるか断るかは、ご本人が自由に選ぶことができます。
その場で返事をせず、よく考えてから選ぶことが賢明とされています。
強要にあたるような場合は、総合労働相談コーナーなどに相談できます。
出典: 厚生労働省「確かめよう労働条件」退職、解雇、雇止めなど(2026年10月時点)
Q. 離職後の雇用保険の手続きはどうなりますか?
A. 雇用保険に加入していた方は、離職後にハローワークで手続きをすると、基本手当を受けられる場合があります。
受給には条件があります。
当事業所では、雇用保険・労働保険を法定どおりに運用しています。
出典: ハローワークインターネットサービス「基本手当について」(2026年10月時点)
Q. 労働の相談窓口の利用に、費用はかかりますか?
A. 総合労働相談コーナーは、予約不要で、ご利用は無料です。
プライバシーの保護に配慮した対応が行われます。
予約制ではありませんが、念のため事前の連絡が推奨されています。
そのほかの窓口は、各窓口にご確認ください。
出典: 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」(2026年10月時点)
Q. 契約の内容は、利用を始める前に質問できますか?
A. はい、できます。
ほまれの家 長後店では、見学や体験の際に、契約について気になる点をご質問いただけます。
まとめ|契約終了のルールを知って備える
- 解雇には合理的な理由と事前の予告などのルールがあり、雇止めにも理由が必要になる場合があります
- 契約書で、契約期間・更新の基準・更新の上限・退職に関する事項を確認しておくと安心です
- 迷ったときは、労働基準監督署・総合労働相談コーナー・お住まいの市区町村の障がい福祉窓口・相談支援専門員に相談できます
契約の内容は、見学や体験の際に質問することもできます。
流れは、見学・体験の流れをご覧ください。
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執筆: ほまれの家 長後店 編集部(運営者情報・コンテンツ制作方針)

