就労継続支援A型で失業保険はもらえる?辞めた後と働く間の注意点

就労継続支援A型は雇用契約を結んで働くため、辞めたあとの失業保険(基本手当)や、働き始めるときの再就職手当が気になる方も多いと思います。
藤沢市の就労継続支援A型事業所「ほまれの家 長後店」が、厚生労働省とハローワークの公開情報をもとに、受け取れる条件と注意点をまとめました。
判断が分かれる点は窓口で確認できるよう、確認事項もあわせてご紹介します。
就労継続支援A型を辞めたら失業保険はもらえる?
就労継続支援A型を辞めたあとも、雇用保険に加入していた期間が条件を満たしていれば、失業保険(基本手当)を受け取れる場合があります。
目安は離職前の2年間に通算12か月以上で、離職理由によっては離職前の1年間に6か月以上で足ります。
失業保険は、正式には雇用保険の基本手当といい、失業手当とも呼ばれます。
制度全体の仕組みは、就労継続支援A型の仕組みを整理した記事で解説しています。
基本手当を受けるための2つの条件
1つ目は被保険者期間(雇用保険に加入していた期間)です。
必要な月数が短くなるのは、倒産・解雇などで離職した場合(特定受給資格者)や、特定理由離職者に当たる場合です。
これらの区分は、あとの見出しで説明します。
なお、1か月の数え方は、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月を1か月とします。
日数が11日未満でも、賃金支払いの基礎となった時間数が80時間以上ある月は、1か月に数えます。
2つ目は失業の状態です。
就職しようとする意思があり、いつでも就職できる能力があり、積極的に仕事を探しているのに職に就けない状態を指します。
体調などですぐに働けないときは、受け取れません。
ただし、離職日の翌日から1年以内に30日以上続けて働けないときは、基本手当を受け取れる期間(受給期間)の延長を申請できます。
延長できるのは最大3年間です。
就労継続支援A型でも、加入の条件を満たして雇用保険に入っていれば、その期間は被保険者期間に数えられます。
加入の条件は、社会保険の加入条件を解説した記事をご覧ください。
なお、当事業所では、雇用保険・労働保険・有給休暇は法定どおりに運用しています。
出典: 厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」、ハローワークインターネットサービス「基本手当について」(2026年10月時点)
受給までの手続きの流れ
離職票(退職や離職理由が書かれた書類)は事業所から届きます。
これは事業所(雇用主)が手続きをして交付するもので、ご本人が行う手続きではありません。
届かないときは、事業所に処理状況を確認し、手続きが進まない場合は、お住まいの地域(住居所)を管轄するハローワークに相談してください。
受給までの流れは、次のとおりです。
離職票を受け取る
↓
ハローワークで求職の申込み
↓
受給資格の決定・受給説明会
↓
待期と失業の認定
↓
基本手当の受給

求職の申込みは、お住まいの地域を管轄するハローワークで行います。
持ち物は、離職票・マイナンバーカード・身元確認書類・写真・本人名義の預金通帳またはキャッシュカードです。
受給資格が決まったあとは、受給説明会に出席します。
受給手続きをした日から原則として7日間は「待期」で、基本手当は支給されません。
そのあとは原則として4週間に1度、失業の認定を受けます。
認定を受けるには求職活動の実績が必要で、基本手当は認定のあと、本人名義の口座に振り込まれます。
なお、自己都合で退職した場合は、待期のあとに給付制限(基本手当が支給されない期間)があります。
出典: 厚生労働省Q&A、ハローワークインターネットサービス「雇用保険手続きのご案内」(2026年10月時点)
離職理由で変わる給付の始まりと日数
離職理由の最終判断はハローワークが行い、ご本人の主張や証拠書類と、事業主の主張などを確認して決まります。
離職票の記載が実際と違うときは、手続きの際に担当者へ伝えてください。
会社都合と自己都合の違い
| 区分 | 離職の主な例 | 給付の始まり | 所定給付日数(受け取れる日数) |
|---|---|---|---|
| 会社都合(特定受給資格者) | 解雇・事業所の廃止など | 待期のあとから | 日数が手厚い場合もある |
| 特定理由離職者 | 更新を希望したが更新されなかった場合・正当な理由のある退職 | 給付制限はかからない | 一部は日数が手厚くなる場合もある |
| 自己都合 | 自分の意思での退職(正当な理由がない場合) | 給付制限がある(待期のあと。2025年4月1日以降の退職は原則1か月) | 一般の離職者の日数 |
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「会社都合」はハローワークでは「特定受給資格者」といい、倒産や解雇などで準備の時間がないまま離職した方が当てはまります。
「特定理由離職者」には2つの場合があります。
1つは、契約期間が満了し、ご本人が更新を希望したが更新されなかった場合です。
もう1つは、体力の不足・心身の障害・疾病・負傷など正当な理由のある自己都合で離職した場合です。
自己都合の給付制限は、待期のあとから始まり、2025年4月1日以降に退職した場合は原則1か月、同年3月31日以前なら原則2か月です。
古い情報では2か月と書かれていることがあります。
倒産・解雇などによる会社都合の離職や、特定理由離職者には、原則として給付制限がかかりません。
出典: 厚生労働省Q&A、ハローワークインターネットサービス「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」、厚生労働省「雇用保険に関する業務取扱要領(令和8年8月1日以降)」(2026年10月時点)
就労継続支援A型で考えられる離職の場面
先ほどの区分に当てはめると、次のとおりです。
- 契約期間が満了して更新されなかった場合: 契約内容(更新の定めの有無や勤続期間)によって、特定受給資格者に当たる場合があります。特定理由離職者に当たるのは、ご本人が更新を希望したが更新されない場合に限られます。契約の基本は、雇用契約の枠組みを解説した記事をご覧ください
- 事業所が廃止された場合: 特定受給資格者の範囲に含まれます
- 解雇された場合: 特定受給資格者の範囲に含まれます(自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除きます)
- ご自身の意思で辞める場合: 原則は自己都合です。ただし、体力の不足・心身の障害・疾病・負傷などで離職した場合は、特定理由離職者に当たる場合があります
解雇や契約が更新されない場合のルールについては、この記事では詳しく扱いません。
事業所が廃止されたときの動きや、退所の伝え方・別の事業所へ移る手続きについては、この記事では詳しく扱いません。
障害のある方の給付日数の考え方
所定給付日数(基本手当を受け取れる日数)は、90日から360日の間で定められています。
被保険者であった期間・離職時の年齢・離職理由で決まります。
障害のある方など就職が困難な方(就職困難者)には、一般の離職者より日数が手厚い区分があります。
所定給付日数の区分
| 区分 | 被保険者であった期間 | 所定給付日数 |
|---|---|---|
| 一般の離職者(全年齢) | 10年未満 | 90日 |
| 一般の離職者(全年齢) | 10年以上20年未満 | 120日 |
| 一般の離職者(全年齢) | 20年以上 | 150日 |
| 就職困難者 | 1年未満 | 150日 |
| 就職困難者 | 1年以上で45歳未満 | 300日 |
| 就職困難者 | 1年以上で45歳以上65歳未満 | 360日 |
会社都合(特定受給資格者)や特定理由離職者には別の表があります。
上の表は一部ですので、具体の日数は、ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」や窓口で確認してください。
出典: ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」(2026年10月時点)
手帳の有無と確認の仕方
身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳などをお持ちの方は、受給の手続きのときに持参してください。
手帳がない場合でも、就職困難者に当たるかどうかはハローワークが確認し、医師の証明書などの書類で確認される場合があります。
具体的な確認の仕方は、窓口で相談してください。
なお、就労継続支援A型は、手帳がなくても利用できる場合があり、手帳の有無で利用の可否が決まるわけではありません。
手帳と受給者証の関係は、手帳と受給者証の違いを解説した記事をご覧ください。
ハローワークには障害のある方向けの専門の窓口があり、手帳をお持ちでない方も利用できます。
出典: 厚生労働省Q&A、厚生労働省「雇用保険に関する業務取扱要領(令和8年8月1日以降)」、ハローワークインターネットサービス「障害のある皆様へ」(2026年10月時点)
就労継続支援A型で働いている間は失業保険をもらえる?
雇用保険に加入する条件で働いている間は「就職」とみなされるため、失業保険(基本手当)は受け取れません。
就労継続支援A型でも、週の所定労働時間などの条件を満たす働き方なら同じ考え方です。
就職とみなされるかどうかの個別の判断は、ハローワークが行います。
就職とみなされる働き方
「就職」とみなされるのは、受給資格の決定の時点で、次のどちらかに当たる期間です。
- 雇用保険の被保険者となっている期間(原則、週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがあるもの)
- 契約期間が7日以上の雇用契約で、週の所定労働時間が20時間以上、かつ週の就労日が4日以上の場合に、その契約に基づく就労が続いている期間
どちらも、実際に仕事をしていない日を含めて「就職」の期間とされ、この間は基本手当は対象外になります。
後者は、雇用保険に加入しない短い契約(31日未満など)でも「就職」とみなされる場合があります。
就労継続支援A型は事業所と雇用契約を結んで働く仕組みなので、契約の内容によっては上の条件に当たります。
出典: 厚生労働省Q&A、厚生労働省「就労系障害福祉サービスの概要」(2026年10月時点)
就職とみなされない働き方でも申告が必要
上の2つに当たらない働き方であれば、受給手続きはできます。
ただし、働いた日は申告が必要で、仕事をした日は支給対象にならなかったり、収入に応じて減額もされたりする場合があります。
アルバイト・パート等をしたときは、失業認定申告書(働いた日や収入を申告する書類)に正しく申告してください。
週20時間未満の働き方と雇用保険の関係は、短時間勤務と雇用保険の加入条件に触れた記事もご覧ください。
判断はハローワークに確認してください。
出典: 厚生労働省Q&A(2026年10月時点)

再就職手当の条件と就労継続支援A型の場合
再就職手当の仕組み
再就職手当は、基本手当の受給資格がある方が早く安定した職業に就いたときに、一定の要件を満たすと支給される手当です。
額は「基本手当日額×支給残日数×給付率」で決まります。
支給残日数とは、所定給付日数のうち、まだ受け取っていない日数のことです。
支給残日数が多い(所定給付日数の3分の2以上)ほど、給付率が高くなります。
支給要件は全部で8項目あり、すべてを満たす必要があります。
支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あることも、その1つです。
ほかの項目は、厚生労働省Q&A(Q39)で確認できます。
出典: 厚生労働省Q&A、ハローワークインターネットサービス「再就職手当のご案内」(2026年10月時点)
就労継続支援A型で就職するときに確認したい3つの点
就労継続支援A型での就職が対象になるかは、ハローワークが個別に判断します。
要件のうち、就労継続支援A型の契約内容と照らして確認しておきたい点は、次の3つです。
- 1年を超えて勤務することが確実と認められること: 契約期間や更新の定めなどが関わるため、雇用契約書を持参して確認しておくと安心です
- 受給資格決定(求職申込み)前から採用が内定していた事業主でないこと: 当事業所では、見学・体験のあとに面接・契約のご案内をする流れです。契約の時期と、ハローワークでの求職の申込みの時期の前後関係が要件に関わるため、窓口で時期を確認しておきましょう
- 原則として、雇用保険の被保険者になる条件の雇用であること: 週の所定労働時間などの条件を満たす契約かどうかも、確かめておくと安心です
なお、この3点は、要件を就労継続支援A型の契約内容に当てはめて整理したものです。
就職が決まったときの手続き
受給中の就職の場合は、次の順番で手続きします。
就職先が決まる
↓
ハローワークで就職を申告
↓
就職先に採用証明書の記入を依頼して提出
↓
再就職手当支給申請書を提出

ハローワークへ申告するタイミングは、認定日か就職日の前日です。
就職日が次回の認定日より後なら次回の認定日に、前なら原則として就職日の前日に来所します。
採用証明書を提出するため、就職先に記入を依頼してご持参ください(後日郵送等での提出も可能です)。
申請には期限があります。
再就職手当を申請するには、支給申請書を就職した日の翌日から1か月以内に提出します。
申請後は、ハローワークの審査のうえ支給されるため、支給までに一定の時間がかかります。
出典: 厚生労働省Q&A、ハローワークインターネットサービス「再就職手当のご案内」(2026年10月時点)
ほかの就職促進給付
就職促進給付のうち「就業促進手当」には、再就職手当のほかに2つの手当があります。
就業促進定着手当は、再就職手当を受けた方が再就職先に6か月以上雇用され、賃金が離職前より下がっている場合に対象になります。
常用就職支度手当は、障害のある方など就職が困難な方が安定した職業に就いたときの手当です。
基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1未満の方が対象です。
対象になるかどうかは、ハローワークが判断します。
出典: ハローワークインターネットサービス「就職促進給付」(2026年10月時点)
ハローワークで確認しておきたいこと
基本手当・再就職手当ともに、受給資格の決定や「就職」の判定、離職理由の最終判断はハローワークが行います。
窓口は、お住まいの地域(住居所)を管轄するハローワークで、全国の所在は厚生労働省「ハローワーク」で確認できます。
窓口で確認することを、次のチェックリストにまとめました。
- 離職票の離職理由: 実際と違うときは、手続きの際に伝えます
- 雇用契約書の期間と労働時間: 「就職」の判定や、再就職手当の要件の確認に使います
- 就職日と内定の時期: 求職の申込みより前に内定していないかが、再就職手当の要件になります
- 障害者手帳(お持ちなら持参): 手帳がない場合の確認の仕方も、窓口で相談できます
- 見学・体験の予定: 受給中に見学や体験を受けるときの扱いを、事前に確認します
- 次に使う福祉サービス: 就労移行支援など別のサービスを使う予定があるときは、窓口にも伝えます

福祉サービスの利用手続き(受給者証など)が必要になる場合は、お住まいの市区町村の窓口が案内先です。
収入面の不安がある場合は、生活保護と就労継続支援A型の併用を考える場合の収入への影響を解説した記事をご覧ください。
障害年金については、就労継続支援A型の給料と障害年金の関係を解説した記事で確認できます。
失業保険と年金の関係は、日本年金機構の各年金事務所に確認してください。
出典: 厚生労働省Q&A(2026年10月時点)
よくある質問
Q. 失業保険の手続きは、いつまでにすればよいですか?
A. 受給期間は、原則として離職日の翌日から1年間です(所定給付日数が330日の方は1年と30日、360日の方は1年と60日です)。
この期間を過ぎると、所定給付日数が残っていても受け取れなくなるため、離職票が届いたら早めにハローワークへ行きましょう。
延長の申請は、先に書いた条件の説明をご覧ください。
出典: 厚生労働省Q&A(2026年10月時点)
Q. 失業保険の金額は、どのように決まりますか?
A. 離職前6か月の賃金(賞与を除く)をもとに、ハローワークが離職票の内容から計算します。
賃金の低い方ほど給付率が高くなる仕組みで、給付額には上限と下限があります。
具体的な額や率は、ハローワークで確認してください。
基本手当は非課税で、確定申告は必要ありません。
就労継続支援A型の給料については、就労継続支援A型の給料の仕組みを解説した記事をご覧ください。
出典: 厚生労働省Q&A、ハローワークインターネットサービス「基本手当について」(2026年10月時点)
Q. 別の就労継続支援A型事業所へ移る間も、失業保険は使えますか?
A. 離職理由と受給要件によって、対象になる場合があります。
基本手当や再就職手当などを受け取らずに、離職後1年以内に次の就職先で雇用保険に加入した場合は、前の被保険者期間も通算されます。
次の事業所が決まっているときの扱いは、ハローワークにご確認ください。
出典: 厚生労働省Q&A(2026年10月時点)
Q. 失業保険をもらっている間に、就労継続支援A型の見学や体験を受けてもよいですか?
A. 見学や体験の扱いは個別の状況によって異なるため、事前にハローワークへ確認し、必要に応じて失業認定申告書への申告も相談してください。
なお、当事業所の体験利用は2〜5日間で、給与は発生せず、費用は無料です。
まとめ|就労継続支援A型と失業保険
- 基本手当は、被保険者期間と失業の状態が条件で、離職理由によって給付の始まりと日数が変わります。自己都合の場合、待期のあとの給付制限は、2025年4月1日以降に退職したときで原則1か月です
- 就職とみなされる働き方(雇用保険に加入する条件で働く場合など)の間は、基本手当を受け取れません。受給中に就職が決まったときは再就職手当の可能性がありますが、就労継続支援A型が対象になるかはハローワークが個別に判断します
- 障害のある方など就職が困難な方には、所定給付日数が手厚い区分があります。手帳の持参や確認の仕方は、窓口で相談できます
離職票が届いたら、お住まいの地域を管轄するハローワークで手続きを進めましょう。
判断が分かれる点は、チェックリストを手元に相談してください。
実際の事業所の様子を知りたい方は、見学・体験の流れを詳しく解説した記事もご覧ください。
見学・体験のご相談は、LINEからお気軽にどうぞ。
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執筆: ほまれの家 長後店 編集部(運営者情報・コンテンツ制作方針)


