就労継続支援A型は一般就労と併用できる?アルバイト・副業の条件

就労継続支援A型と一般就労(アルバイト・副業)の併用について解説する記事のアイキャッチ

就労継続支援A型とアルバイトの掛け持ちを考える方や、一般就労中にA型を一時的に使えるのか知りたい方にとって、条件はわかりにくいものです。

藤沢市のA型事業所「ほまれの家 長後店」が、厚生労働省の通知をもとに、条件と確認する相手を整理しました。

可否は個別に判断されますので、一人で抱え込まず、確認しながら進めてください。

就労継続支援A型と一般就労は併用できる?

就労継続支援A型と一般就労(アルバイト・副業)の併用は、一定の条件を満たし、市区町村が必要と認めた場合に認められます。

可否は市区町村の判断のほか、働き先やA型事業所のルールにも左右されます。

始める前に、お住まいの市区町村の窓口と、利用中または検討中の事業所へ相談することが大切です。

併用には2つの方向があります

確認する条件は、次の2つのうち、どちらに当てはまるかで変わります。

  • A型を使いながら、アルバイトや副業をする場合
  • すでに一般就労している方が、A型を一時的に使う場合(就職後に勤務時間を増やすとき、休職から復職を目指すとき)

用語の意味は、次のとおりです。

  • 一般就労(企業などに雇用されて働くこと。アルバイト・パートを含みます)
  • 日中活動サービス(日中に通って利用する、就労継続支援などの障害福祉サービス)
  • 支給決定(市区町村が、障害福祉サービスの利用を認めること)

出典: 厚生労働省「就労移行支援事業、就労継続支援事業(A型、B型)における留意事項について」(令和7年3月31日付・2026年10月時点)

A型とアルバイト・副業を併用する条件

A型は、雇用契約を結んで働く障害福祉サービスです。

企業などに直接雇用される一般就労との違いは、就労継続支援A型と一般就労の違いで整理しています。

所定労働時間は概ね週10時間未満が目安

A型を使いながら一般就労する場合は、厚生労働省の通知で「就労継続支援短時間型(以下、短時間型)」と呼ばれる取扱いに当たります。

対象は、非常勤のような形態で一般就労している方です。

企業などでの所定労働時間(契約で決まっている勤務時間)が概ね週10時間未満であることが、目安とされています。

「概ね週10時間未満」はあくまで目安で、可否は市区町村が個別に判断します。

利用期間については、特段の定めがありません。

厚生労働省のQ&Aでは、一般就労を行わない日や時間に日中活動サービスを利用できるかという問いへの答えとして、短時間型の取扱いが示されています。

支給決定に必要な2つの条件

短時間型で支給決定を受けるには、次の2つの条件をどちらも満たすことが前提です。

  • 一般就労先の企業などが、A型事業所など他の事業所に通うことを認めていること
  • 日中活動サービスを受ける必要があると、市区町村が認めたこと

市区町村は、利用者の状態によって、その必要性を精査したうえで決定します。

出典: 厚生労働省 留意事項通知、厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.1」(2026年10月時点)

一般就労中にA型を一時的に使える?

一般就労中でも、一定の条件を満たし市区町村が必要と認めた場合は、A型などのサービスを一時的に利用できます。

令和6年4月から法令上の位置づけがあり、就職後に勤務時間を増やす場合と、休職から復職を目指す場合があります。

いずれも利用できる期間に上限があります。

働き始めに勤務時間を増やす場合

働き始めに勤務時間を増やす場合は、通知で「労働時間延長支援型」と呼ばれる取扱いです。

対象は、通常の事業所に雇用されていて、労働時間を延ばす際に、知識や能力を高める支援を一時的に必要とする方です。

利用できるのは、働き始めに概ね週10時間以上20時間未満から、段階的に労働時間を延ばそうとする場合です。

さらに、次の3つの条件をすべて満たす必要があります。

  • 就職前にA型などを利用していて、就職後も同じ事業所での利用を必要としていること
  • 企業などが、事業所への通所を認めていること
  • 勤務時間を延ばすために一時的な利用が必要だと、市区町村が認めたこと

支給決定では、サービス等利用計画が確認されます。

サービス等利用計画は、障害福祉サービスを使うための計画で、計画づくりの専門職である相談支援専門員か、本人・家族が作ります。

この計画には、段階的に勤務時間を増やす予定が書かれ、雇用先の企業なども同意していることが求められます。

就職後の利用期間は、原則3か月から6か月以内です。延長が必要な場合は、合計1年まで認められます。

A型を含め、一般就労までの道筋は、一般就労へ進む選択肢の全体像で整理しています。

働き始めに勤務時間を増やす場合の流れは、次のとおりです。

就職前にA型などを利用していた方が、就職後は就職前と同じ事業所を一時的に利用しながら、勤務時間を段階的に増やすことになります。

この一時的な利用の目的は、生活リズムの維持や、雇用先と事業所の情報共有などを通じて、円滑な一般就労への移行を目指すことです。

就職前にA型などを利用していた方が、就職後に同じ事業所を一時的に利用し、生活リズムの維持や雇用先と事業所の情報共有を図りながら、勤務時間を段階的に増やす流れを示す図

休職から復職を目指す場合

休職から復職を目指す場合は、通知で「復職支援型」と呼ばれる取扱いです。

対象は、通常の事業所に雇用されていて、復職の際に、知識や能力を高める支援を一時的に必要とする方です。

利用できるのは、次の3つの条件をすべて満たす場合です。

  • 雇用先の企業や、地域の就労支援機関、医療機関による復職支援が見込めない、または難しいこと
  • 本人が復職を希望し、企業と主治医が、A型などのサービスによる復職支援が適当だと判断していること
  • A型などのサービスを使うほうが、より効果的に復職につながると、市区町村が判断したこと

1つ目と2つ目の条件は、雇用先の企業、主治医、相談支援事業所(サービス等利用計画を作る事業所)が作る書類で確認されます。

本人・家族が自分で計画を作る「セルフプラン」の場合は、相談支援事業所が作る分の書類を、申請者が作ります。

利用期間は、企業の定める休職期間の終了までで、上限は2年です。

3つの型の比較

一般就労中にA型を使える型は、先ほど説明した短時間型を加えると、働き方や場面によって次の3つに分かれます。

どの型でも、市区町村の判断が前提です。

型の名称当てはまる場面主な条件利用期間
短時間型非常勤のような形態で一般就労している場合所定労働時間が概ね週10時間未満であることが目安特段の定めなし
労働時間延長支援型働き始めに勤務時間を段階的に増やす場合概ね週10時間以上20時間未満から段階的に延ばす就職後、原則3か月から6か月以内(延長で合計1年まで)
復職支援型休職から復職を目指す場合企業などによる復職支援が見込めない、または難しい企業の定める休職期間の終了まで(上限2年)

出典: 厚生労働省 留意事項通知(令和7年3月31日付)、厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律の概要」、厚生労働省「介護給付費等に係る支給決定事務等について(事務処理要領)」(2026年10月時点)

一般就労中にA型を使える3つの型(短時間型・労働時間延長支援型・復職支援型)の当てはまる場面と、利用期間の決まり方を示す比較表

併用を考えるときの確認先と注意点

併用の可否は、お住まいの市区町村、働き先、利用中または検討中のA型事業所の3か所で確認します。

併用の確認先は、お住まいの市区町村、働き先、A型事業所の3か所で、それぞれ相談・確認することを示す図

お住まいの市区町村の窓口

市区町村が、併用の必要性を判断して支給決定を行います。

窓口では、併用が必要と認められるかを相談します。

窓口になるのは、原則として申請者本人が住んでいる市区町村です。

申請の際は、相談支援専門員または本人・家族(セルフプラン)が、サービス等利用計画案を作ります。

出典: 厚生労働省「介護給付費等に係る支給決定事務等について(事務処理要領)」、厚生労働省「サービスの利用手続き」(2026年10月時点)

働き先とA型事業所のルール

働き先(アルバイト先など)には、A型事業所への通所を認めているか確認します。

副業・兼業の扱いは、就業規則(職場の働き方のルールをまとめたもの)で定められていることがあります。

A型事業所については、雇用契約書や就業規則を確認し、副業・兼業の定めがないかを調べます。

始める前に伝えて相談しておくと、調整しやすくなります。

勤務時間の合計と体調管理

雇用されて複数の職場で働く場合、労働基準法第38条第1項により、事業主が別でも労働時間は通算されます。

合計が長くなりすぎないよう、無理のない範囲で調整することが大切です。

出典: 厚生労働省「確かめよう労働条件」副業・兼業と労働条件(2026年10月時点)

福祉サービス同士は同じ日に使えない

就労継続支援A型、就労継続支援B型、就労移行支援など、日中に通って利用する福祉サービス同士は、同じ日に使えるのは1つだけです。

日中活動サービスの報酬が1日単位で算定される仕組みのためです。

一方、アルバイトなどの一般就労は福祉サービスとは別のルールで、市区町村が必要と認めた場合に併用できることがあります。

A型と就労移行支援をあわせて使えるかどうかは、就労継続支援と就労移行支援の違いで説明しています。

出典: 厚生労働省 事務処理要領(最終改正 令和8年7月・2026年10月時点)

日中に通う福祉サービス同士は同じ日に1つだけ使えること、アルバイトなどの一般就労は福祉サービスとは別のルールであることを比べた図

ほまれの家 長後店の併用相談

当事業所の考え方と勤務時間

当事業所では、他の福祉サービスやアルバイトとの併用(Wワーク)は、利用するサービスの種類や勤務時間、自治体の判断などによって可能な場合があります。

現在の利用状況や働き方を確認したうえでご案内します。

当事業所の勤務時間は10:00〜15:30で、営業日は平日のみ(土日祝休み)です。

当事業所では、週の勤務日数や短時間勤務についても相談できますが、最終的には週5日の安定した通所(勤務)を目指せる方を利用対象としています。

詳しくは、短時間勤務の相談ができるかをご覧ください。

見学・体験での相談

併用を希望する場合は、見学や体験利用のときに、今の働き方や予定をお伝えください。

当事業所の見学は無料で、所要時間は約30分〜1時間です。

体験利用も当事業所では無料で、日数は2〜5日間です。

よくある質問

Q. アルバイトを始めたいとき、最初に誰へ相談すればよいですか?

A. 決まった順番はありませんが、始める前に、利用中のA型事業所の職員へ早めに伝えておくと安心です。

あわせて、相談支援専門員(いない場合はお住まいの市区町村の窓口)にも相談できます。

Q. フリーランスや個人事業主として働く場合も対象になりますか?

A. 短時間型では、フリーランスや個人事業主など雇用以外の形態で働く方も対象になります。

日中活動サービスを受ける必要があると市区町村が認めた場合に、支給決定を行うことができます。

Q. 併用すると、障害年金や生活保護に影響しますか?

A. 影響の有無は、収入の額や受けている制度によって変わります。

詳しくは、生活保護との併用と障害年金との併用をご覧ください。

Q. 一般就労をやめた後に、A型を利用することはできますか?

A. A型の対象となる条件を満たせば、一般就労をやめた後も利用できます。

A型には利用期間の制限がなく、利用を始めるには、お住まいの市区町村で支給決定を受けます。

出典: 厚生労働省「就労系障害福祉サービスの概要」(2026年10月時点)

まとめ|A型と一般就労の併用を考える

  • 併用は、一定の条件を満たし、市区町村が必要と認めた場合に認められます
  • 方向は2つで、A型を使いながら一般就労する場合と、一般就労中にA型を一時的に使う場合です
  • 確認先は、お住まいの市区町村、働き先、A型事業所の3か所です

まずはお住まいの市区町村の窓口と、利用中の事業所へ相談してみてください。

当事業所への相談は、見学・体験の機会にも受け付けています。

進み方は見学・体験の流れをご確認ください。

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執筆: ほまれの家 長後店 編集部(運営者情報・コンテンツ制作方針)